岡田優介インタビュー
自分の足やシユートを犠牲にしても、柏木さんを守ることが仕事

インタビュー・構成・写真/小永吉陽子 

ファイナルを支えた影の殊勲選手といえるだろう。岡田優介が遂行した「柏木封じ」からトヨタのチームプレイが始まった。本来ならば、粘りのディフェンスとともに、セミファイナルで披露したような勝負強いシュートを決めるのが岡田のスタイルだ。しかし、ファイナルでは相手のキーマンを殺すディフェンスにすべてを注ぎ込んだ。並々ならぬ決意で柏木封じの役割を担った岡田に自身の評価と初優勝の感想を聞いた。

※インタビューは共同囲み取材から、インタビュアーが質問したもので構成しています(インタビュアー以外の質問は質問者を明記)。

岡田優介──自分の力を100使って、柏木さんをしつこくディフェンスした効果はあった    

岡田のプレッシャーディフェンスは柏木のリズムをジワジワと崩していった

――今回のファイナルでは、岡田選手と熊谷選手が柏木選手に対するディフェンスが大きなポイントになりましたが、それに対する自分のディフェンスの評価は?

ヘッドコーチがどう評価しているかわかりませんが、僕自身は、柏木さんからスティールを奪うとかターンオーバーを誘うというのは本当に少なかったと思うし、もしかしたらなかったかもしれません。でも、しつこく、しつこくディフェンスをして、柏木さんが普段30使っている力を50使わせようと思い、そのためには自分が100の力を使ってもいい、自分の足を犠牲にしても柏木さんの邪魔をしてやろうと思ってプレイしていました。その効果はあったんじゃないかなと思います。特にファイナルは連戦が続くので、その影響が出ていたらうれしく思います。

――柏木選手を守ることが、岡田選手がファイナルで与えられたいちばんの仕事だということですか。

ヘッドコーチに柏木さんにつけと言われたので、それが第一の仕事だと感じ取っていました。そこでディフェンスの足を使ったことによって、自分のシュートが2、3本減ったとしても、それがチームの勝ちにつながると思ったので、僕はそちらを優先しました。もちろん、点を取ることは自分の中で大切なことなんですけど、それは勝負所の必要なときに出せればいいと思って。うちは点を取れる人がいっぱいいるので、今回はディフェンスが第一優先でした。

――ヘッドコーチは記者会見で「Sacrifice(犠牲)」という言葉を使っていましたが、選手個々が犠牲をはらってプレイしたことがアイシンの息の根を切らせた。そこはチームカラーが達成できた感はありますか。

いや、ほんとに。そうです。あります。今日の試合なんかは、最後の最後までうちらのスタイルが象徴できる戦いができましたし、これが狙いでした。アイシンはほとんど30分以上出るメンバーが多いので、必ずこの長いファイナルでは足がなくなると思っていました。自分自身はベンチメンバーがいるので、心おきなくプレッシャーディフェンスを100%出す。20分から25分試合に出ればいいと思っていたので、僕自身は常にフレッシュな気持ちでできました。2戦目はクマ(熊谷)が良かったからそれでプレイタイムはなかったですけど、そのおかで休むこともできましたし、次の試合では足がフレッシュでした。そういうことが一人一人できたので、こういう結果になることを最初から信じていました。

――岡田選手から見て、その戦術の遂行はみんなが納得してやっているように見えましたか。

はい。そう思います。

ファイナル4試合のテータは、平均19:02秒出場、平均5.25点。一戦目は3P4本で12得点をマーク

――ファイナルはルーキー時代に経験して以来。はじめてのファイナルを迎えた選手も多かったですけど、経験がない中での戦い方はどう感じていますか?

そんなに気にはしてはいなかったですけど、ただアイシンを見るとすごく経験ある人がいるなと感じていました。一戦目にこっちが点差をつけても最後まで粘られて逆転されましたが、あれは経験の差を感じましたし、天皇杯でも追い上げられたときにそれは感じましたね。自分たちは経験の差とかを感じないままにファイナルをやってましたけど、アイシンを見ていると、経験というのはあるんだなあと感じました。

――自己犠牲の精神って簡単なようで簡単ではないと思うのですが、それができる理由は。(通信社の質問)

それはもう、コーチの統率力のおかげだと思います。ちゃんと評価をしてくれるんですよ。口では「ディフェンスを頑張るやつを試合に出す」とか言いますけど、うちのコーチはシュートを外したとかは関係ないですね。僕はシューターだからシュートが入った、入らないというのはありますけど、ちゃんとディフェンスを頑張ったやつを出す。ディフェンスで買われているから出す、ということをちゃんと実践してくれる。シュートを外して代えられたことはないんですよ。ディフェンスでやられて、足がなくなってきたら代えると言われています。それをちゃんとやってくれるコーチなので、自分たちはそれを信頼しています。みんながそれぞれの役割を遂行する。それをやりました。

――率直な感想を聞きたいのですが。JBL5年目で迎えた優勝には、どんな思いが込み上げてきますか。

もう最高です。ほんと最高です。ようやくというか。学生時代を通して日本一になったことがなかったので、今年の天皇杯がはじめての優勝でしたし、ずっとアイシンに阻まれてきたのもありますし、これでようやく勝ったな、はじめて頂点に立ったなという実感があります。今年は狙えるチームだと自信がありました。