男子代表新体制就任会見
「代表から若手育成までの一貫強化」を目指した活動がスタート

レポート・文/舟山緑  レポート・写真/小永吉陽子

今度こそ前進したい。鈴木貴美一、トーステン・ロイブル体制で男子代表の強化がスタート

左より萩原伸浩男子(男子強化部長)、鈴木秀太(強化本部長)、鈴木貴美一(日本代表HC)、トーステン・ロイブル(日本代表アソシエイトHC)、佐々木三男(ジュニアエリートアカデミープロジェクト長)

新体制として踏み出した男子代表はどこを目指して進んでいくのか――。5月9日の新体制就任会見より、「選手選考のポイント」「昨年度の総括・検証」「ウィスマンHC解任、鈴木HC就任理由」「目標」「強化方針」の5点について明らかにする。

5月9日、新体制発表会見・新体制就任挨拶より

<ページ1>鈴木貴美一ヘッドコーチによる代表候補20名、選手選考の評価
<ページ2>質疑応答――日本の目指すバスケットボールのスタイル
<ページ3>質疑応答――ウィスマンHC解任理由、鈴木貴美一HC就任理由、今後の強化方針

鈴木貴美一ヘッドコーチによる
次世代を担う選手選考、大型化を睨んだ20名の選手選考

自身が指揮を執った2007年度の反省から、若返りと大型化から着手

 日本代表候補選手の選考は、2014・2018年の世界選手権、さらに2016年・2020年のオリンピックに出場することを目標に、若い選手を選びました。これらの選手でたくさん練習を行い、個人のスキルアップを行い、次につなげていくという考えを持って、次世代を担っていく選手選考をしました。

 ただ、日本はどうしてもビッグマンが弱いので、桜木選手と青野選手の2選手が必要になるかもしれないと考え、ベテラン2名を入れています。ただし、6月からの強化活動にはこの2人は呼びません。若手を鍛えていきたいからです。しかし大会は勝負事ですし、結果を残すということを考慮し、大会前のある時期に合流をするという形で考えています。基本的には桜井選手以下の20代の選手で、2年後の世界選手権、あるいは4年後のオリンピック出場を目指せるように選考しました。

 これまで日本代表は、結果を出さなければ厳しい評価を受けるので、現時点の最強メンバーを選出することが多かったと思います。しかし、アジアでも厳しい状況の中でこれまでと同じことを繰り返しても変わりません。日本代表はみんなのチーム。みんなで戦い、そして次の人につなげていくことが重要です。そういう意味では若い選手をできるだけ選びました。途中、ケガなどで交代せざるを得ない状況になっても、若い選手に代えていきたいと思っています。

 選考のポイントは、ガード陣を大型化し、竹内譲次選手をフォワードにコンバートしたように、得点源となるスモールフォワードの平均身長を上げ、今までのようにミスマッチが起きない布陣で挑戦していきたいと思っています。若い選手たちですので、練習量を多くして、ストレングスコーチ、ロイブルコーチらとともに、日本が良くなるようにコミュニケーションを図りながら強化に励んでいきます。2014年の世界選手権の切符を手に入れて、みんなで喜びを分かち合えるように一生懸命頑張ります。

【鈴木貴美一ヘッドコーチによる選手選考の評価】

桜井良太(194㎝/PG/29歳/レバンガ北海道)
194㎝のPG。前の代表ではSFでピックアップされていたが、北海道でPGをこなし、いいプレイを見せた。日本は国際大会ではガードが通用しているが、強いチームと対戦するときには必ずガードからやられてしまう。今回は思い切って大型ガードとして抜擢。

太田敦也(206㎝/C/27歳/浜松・東三河フェニックス)
bjリーグの中で目立って活躍している選手。身体もあり、成長もしている。ビッグマンとして不可欠と考えた。

石崎 巧(188㎝/PG/27歳/BVケムニッツ99)
大型ガードとして、ドイツのプロAリーグで、プレイングタイムも長く、ガードとして活躍している。ガードとして非常に真面目で負けず嫌いで練習熱心な選手。ハングリーな生活をしている経験をナショナルで生かしてほしい。

竹内公輔(206㎝/PF/27歳/トヨタ自動車アルバルク)
トヨタではプレイングタイムが短くてスタッツ的には目立った活躍はしていないが、もともと安定した力を持っており、日本のビックマンとしては不可欠。

竹内譲次(206㎝/F/27歳/日立サンロッカーズ)
願望としてスモールフォワードとしてプレイすることを期待。現状、チームでは4番、5番で、日本代表でも4番だったが、できれば3番にコンバートしたい。年齢的には27歳で(コンバートの)挑戦は遅いと思うが、それだけのスキルを持っている。

川村卓也(193㎝/SG/26歳/リンク栃木ブレックス)
JBLの得点王。日本代表での実績もあり、シューティングガードとして日本で一番目立つ。
※ケガのリハビリにより、今年度の代表活動を辞退

古川孝敏(190㎝/SG/24歳/アイシンシーホース)
このポジションにはいいシューターがたくさんいるが、彼はディフェンスが良く、この1年間の成長を評価。今後の期待も込めて選出。

栗原貴宏(192㎝/SF/24歳/東芝ブレイブサンダース)
初代表候補。フィジカルなディフェンス力と3Pを持つ選手。海外のSFはエースプレイヤーが多いが、それらの選手を守るエースキラーとして選出。

渡邊裕規(180㎝/PG/24歳/パナソニックトライアンズ)
ここのポジションは非常に迷ったところだが、年齢的にまだ若く、コントロール力もあるステディなガードであることから選出。桜井、石崎という大型で年齢的にも充実したガードを選出しているので、次につながるPGとして選出。

金丸晃輔(192㎝/SG/23歳/パナソニックトライアンズ)
ノーマークならば日本でナンバーワンのシューター。次世代を担うシューターとして選出。

比江島慎(190㎝/G/21歳/青山学院大4年)
ガード的な要素とシュート力を持った選手。スピンしたり、フェイクしたりというように、外国人のようなスキルを持った選手。勝負強さも併せ持つ。いい経験を積んでほしい選手。

ショーン・ヒンクリー(200㎝/PF/21歳/リンク栃木ブレックス)
運動能力、ハート、身体の強さなどを持つ素材がいい選手。チームの中ではプレイングタイムは少ないが、いずれ上がってくる選手。その将来性に期待。

永吉佑也(199㎝/C/20歳/青山学院大3年)
大学界でクレバーなセンターとして定評がある。堅実なプレイを評価。

田中大貴(191㎝/SG/20歳/東海大3年)
将来、代表のシューターになりうるシュート力を持っていることを評価。

張本天傑(198㎝/F/20歳/青山学院大3年)
日本はスモールフォワードのポジションの層が薄いが、彼は198㎝でSFができると期待を込めて選出。

橋本晃祐(203㎝/F/19歳/東海大1年)
大学1年の中では一番能力がある選手。まだ経験はないが、外からのシュート力あり、フォワードとしての動きもできると期待。

渡邊雄太(198㎝/G/17歳/尽誠学園高3年)
高校3年生。まだ線は細いが、4年後、8年後には確実に代表入りしている選手。ガート的な動きもできることから、将来を見据えてPGからSFまでの練習をさせていく。

角野亮伍(188㎝/SF/15歳/藤枝明誠高1年)
高校1年生。まだ身長が伸びており、シュートがうまい選手。可能性を期待して選考。

◆次ページは質疑応答「日本の目指すバスケットボールのスタイル」について

1 / 3123