選手選考、チーム作りのコンセプト、戦いの展望を聞く
何が何でもロンドンへの切符を!

文/舟山 緑  写真/相沢清司、小永吉陽子



与えられた時間で精一杯準備はしてきた

スタッフ、選手ともに意気込みは強い
ぜひこの布陣で切符を獲りたい

ロンドンオリンピック女子世界最終予選が、いよいよ6月25日から始まる。
国内での最終強化・調整となる第6次合宿を味の素ナショナルトレーニングセンターで行い
女子代表チームは6月21日、開催地トルコのアンカラに向けて出発した。
4月に召集された20名の代表候補は、5月には17名に絞られ、現在は15名の精鋭メンバーとなった。
世界最終予選に臨むのは12名だ。どの段階で12名を決定するのか、
現在のチームの仕上がりはどうなのか、本番で対戦するチームの特徴など、
国内最終合宿にて、内海ヘッドコーチに、タフな連戦が予想される世界最終予選への手応えを聞いてみた。

代表候補20名が4月から国際ゲームを精力的にこなす

アメリカ遠征、スロバキア国際親善、トルコ遠征をこなした女子代表

 昨年8月、長崎大村で開催された「第24回FIBAアジア女子選手権」で3位に終わり、ロンドンオリンピックへの切符を手中にできなかった日本。残されたチャンスは、6月25日からトルコの首都アンカラで開催される「FIBA女子オリンピック世界最終予選」で「残り5枚」あるロンドンへの切符を手中にするしかない。

 今回の女子日本代表は、「何としてもロンドンオリンピックへの出場権の獲得を」との強化方針から、昨年12月に内海知秀氏(JX)をヘッドコーチに据えた。さらにコーチとして丁海鎰(チョン ヘイル)氏(トヨタ自動車)と小嶋裕二三氏(デンソー)を抜擢。Wリーグのトップ3のヘッドコーチを組むという異例の巨頭体制で強化活動を進めてきた。

 まずは代表候補20名を選出。そのメンバーで4月にはアメリカ遠征を行い、WNBAの3チームと対戦。アメリカ代表ともスクリメージを行うなど、世界トップクラスの高さとパワーを否応なく体験してきた。帰国後は、5月に国内でスロバキア代表と親善試合を3ゲーム戦った後、トルコへと遠征。本番の予選ラウンドで対戦する地元トルコとも手合わせをし、さらにヨーロッパの強豪であるベラルーシ代表、モンテネグロ代表とも戦って国際ゲームを精力的にこなして経験を積んできた。

 4月からの一連の国際ゲームを経て、チーム作りは現在、最終局面を迎えている。1月に足の甲の手術した渡嘉敷来夢(JX)は回復が間に合わず、メンバーから外れた。チーム最年少の長岡萌映子(富士通)は、トルコ遠征後に15名からは外れてしまった。3月に足の甲を手術し、渡嘉敷同様にリハビリを続けてきた大神雄子(JX)は、ようやく6月10日からのチーム練習に合流した。国際舞台に強い大神が戻ってきたのは心強いところだが、実戦ではどれぐらい起用できるのか、気になるところだ。

 チームは6月21日にトルコへと出発する。日本の予選ラウンド第1戦の相手はトルコで、第2戦はプエルトリコだ。その予選ラウンドで上位2位チームのみが準々決勝へと進む。準々決勝で勝てば、「ロンドン行きの切符」は手中にできる。だが、ここで負けると、「残り1枚」をかけて、準決勝、決勝を勝ち抜かなくてはならない。準々決勝からは非常にタフな連戦となる。それを考えると、日本は何としても予選ラウンドを1位通過したいところだ。初戦のトルコ戦が大きな鍵を握る。

◆世界最終予選の試合日程
◆テレビ放送予定
◆女子日本代表候補15名(6月11日現在)
 
 

互いに手の内を見せないでの対戦となったトルコ戦

 
■トルコでの国際招待試合の結果
第1戦 ●日本代表 50-57 ベラルーシ代表(FIBAランキング10位)
第2戦 ○日本代表 63-53 トルコ代表(FIBAランキング21位)
第3戦 ●日本代表 49-66 モンテネグロ(FIBAランキング40位)
(※日本はFIBAランキング15位)

世界最終予選は、前回の北京五輪予選に続き、2回目の指揮となる

――5月末のトルコ遠征では1勝2敗。予選ラウンド・グループAで戦うトルコとも対戦してきました。結果は63対53の勝利でしたが、どんなチームでしたか。

対トルコについては、ディフェンスは大きく変わった戦術はしませんでしたが、オフェンスは今まで作ってきたものは出さずに、新しい攻めを1つ追加して戦いました。今回の遠征は、向こうのチームも20名が集まってセレクションの段階だったようで、スタートメンバー全員は出てこなかったのですが、ある程度の特徴や向こうの戦術は見ることはできました。本番に向けていい遠征になったと思います。

――具体的に、トルコはどんな特徴をもったチームですか。

インサイドの高さや幅は、5月に国内で対戦したスロバキアよりもありました。大きい選手の能力は非常にあり、そういう意味でいい練習になりました。トルコは今、帰化選手が2人います。今まで代表だった白人のアメリカからの帰化選手と、今年帰化した黒人選手です。たぶん、今までの白人選手が代表に残ると思います。一方の黒人のセンターは196㎝ぐらいで、いい練習になりました。

――トルコ戦はロースコアの試合でしたが、相手は主力を出してきましたか。

5人のうち3人が出てきましたが、あとの2人は出ませんでした。その3人もずっと出ているわけではなく、交代しながら使ってきました。たぶん、トルコもメンバーが集合してそんなに時間がたっていない印象でした。なので、オフェンスではまだかみ合わないところも見受けられました。これから仕上げてくると思います。

――トルコに対しては手の内を全部出せない中で、チームとしての手応えはどうでしたか。

トルコ戦以外、ベラルーシとモンテネグロとの2戦は、シュートの確率が低かったのとターンノーバーが多かったです。特に1戦目のベラルーシ戦は20個以上のターンノーバーが出てしまい、そこは修正していかないと。対戦チームの情報を収集し、この合宿ではトルコ、プエルトリコを想定してのアジャスト練習をしています。ミーティングでもトルコの試合をみながら、分析をしています。第1戦がトルコですので、いい形で入りたいと思っています。

――プエルトリコは、どのようなチームなのでしょうか。

プエルトリコはどちらかというとアメリカンバスケットで、アメリカに留学した選手が主力でいると聞いています。センターに196㎝ぐらいの選手が一人いて、あとの選手はそんなに日本と変わらない身長のようです。特徴としては、非常にスピードのあるガードがいて、1対1の能力があるようです。

――トルコでの3試合で、「ここは日本の強みだったな」と感じたところはありましたか。

3ポイントと、外角シュートでノーマークを作る動きはよかったです。あとはシュートが入るか入らないかの部分ですが、トルコ戦は3ポイントも2ポイントも確率が高かったです。また、トランジションの中で、少ししか使っていないのですが、ゾーンが少し有効だったなと感じました。非常にそこは収穫でした。

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