準々決勝 日本対チェコ
ディフェンスで粘るも、チェコに47-53で惜敗

文/舟山 緑  写真/小永吉陽子

寄りの速いディフェンスで徹底してチェコを苦しめる。3点差に迫るも、逆転ならず

■6月29日(金)16:45~アンカラアリーナ
日本 47(4-17、14-12、13-14. 16-10)53 チェコ

オリンピック出場を賭けた準々決勝。ここを勝てば、「ロンドン」が決まる。
この大一番で日本は寄りの速いディフェンスでチェコを徹底して苦しめ、最大13点差あったリードを
第4Q残り6分には3点差まで追い詰めた。見事な日本の猛攻だった。

スタートに190台を3枚擁して「高さ」を武器にゲームをリードしていたチェコが、
後半はパスミスやシュートミスを連発するほど、日本のプレッシャー・ディフェンスが効いていた。
相手の足下に入る日本のしつこいディフェンスにチェコの足が止まり、バテている様子が十分うかがえた。

猛攻の起点となったのは、#13大神雄子の連続スティールだった。
第4Qに入って#12吉田亜沙美が続けてファウルとなり4ファウルで退場した後、#7矢野良子と#8田中利佳がインする。
ここで大神が1番に回ったことで、攻撃のテンポに変化が生まれてくる。
インサイドへの相手パスをスティールした大神が、速攻に走った8田中へとパス。
田中が得意のクイックモーションから3ポイントを鮮やかに決めたのだ。
この大神のスティール、田中の3ポイントが2本連続して決まって41-46の5点差。
チェコにタイムアウトをとらせる鮮やかな猛攻だった。

ここで守りを強めてきたチェコに対して、#11木林稚栄が24秒ぎりぎりでゴール下シュートを決めて43-46。
日本ベンチも応援団も大歓声に包まれ、取材するわれわれメディアも大興奮した瞬間だった。
「行ける!」「行って欲しい」という思いが駆け巡る。

だが、「勝負はここから」という残り5分からの攻防で、日本はシュートを決め切れなかった。
同点シュートをねらった#8田中の3ポイントがリングに弾かれ、ルーズボールやリバウンドを支配できなかった。
FIBAランキング4位、平均身長186㎝という世界屈指の高さを誇るチェコを相手に、失点53はまずまずだが、
高さとリーチに勝る相手に対し、ドライブインをことごとくブロックされたのが痛かった。
ファウルに持ち込むしたたかさが、まだ日本には足りなかった。
攻めのバリエーションが少ないのも露呈した一戦だった。

そんな中で奮闘したのが#6間宮佑佳だ。ブロックショットを何本も食らいながら、
それでも果敢にゴールに挑んでハイポストやローポストでジャンプショットを決めた姿は頼もしかった。
後半は、ガード・吉田との鮮やかな合わせプレイが生まれ、ファウルを誘っては16得点をマーク。
高さで勝るチェコを倒すことは出来なかったが、日本が得意とするディフェンスからの速攻で
3点差まで追い詰めたのは見事だった。

この準々決勝を制して「ロンドン行き」を決めたのは、クロアチアとチェコ、トルコ、フランスだ。
一方、敗れた4カ国は、敗者復活1回戦となる「準決勝」へと進む。
準決勝のカードは、日本-韓国、カナダ-アルゼンチン。
それぞれの勝者が「残り1枠」を賭けて、大会最終日に「決勝」を戦う。

「ロンドンへの切符」をつかむには、まずはアジアのライバル・韓国を倒さなくてはならない。
韓国との準決勝は、6月30日(土)18:00だ(現地時間/日本時間は7月1日0:00)
 

内海知秀ヘッドコーチ)

1試合を通して根気強いディフェンスができた。3点差から逆転できずに残念

――高さで勝るチェコを3点差まで追い詰めました。惜しかったです。

いやー、逃した魚は大きかったという気がします。

――出だしで0-13までリードされました。高さが想像以上に壁だったですか。

ええ、相手の高さが非常に大きかったかなという印象があります。選手はバスケットに向かっていっていたのですが、あそこで何本かブロックアウトされたので戸惑っていました。ドライブからキックして合わせのプレイが出ていれば、もっともっといい入り方ができたと思いますが、想像以上に高さや手の長さを実感したのではと思います。1Q4点はいい入り方ではなかったですが、ディフェンスは非常に根気強くディフェンスできました。1試合を通してよくディフェンスしたと思っています。

――第2Q途中あたりから守りを修正したのですか。

インサイドを抑えることは最初からの約束事だったので、第2Qは寄りを速くすることと、スクリーンをかけられても、われわれにとってはガードでもセンターでも高さがあれば同じなので、ハードにスイッチをして相手の足下にもっといくという指示はしました。

――それが相手を慌てさせることにつながっていたと思いますが。

そうですね。大きい選手にとって足下イヤなことだと思うし、ボールを運ぶガードにもプレッシャーをかけられたので、それがよかったと思います。

――前半13点差から次第に点差が縮まって、第4Qでは3点差に。あそこでの指示は?

絶対に流れはもう日本だと思っていたので、「同点の3ポイントは田中が打て」と指示をしました。あれが入っていれば、全然違った展開になっていたと思います。惜しかったです。でも、あそこで田中もしっかり打てていたので、しかたなかったです。残り5分過ぎから相手のフリースローとなり、シュートが外れてリバウンドやルーズボールが3本も4本も相手に取られたのは、何かが足りなかったのかなと思います。

――立ち上がり、果敢に行ったドライブインが見事にブロックされました。その修正の指示は?

ドライブインからのキックアウトや合わせの約束事はありますが、相手の手の長さでやられた部分があります。最後は点を取りに行かなくてはという気持ちがあったので、そういう形になったのは仕方がありません。

――そこでファウルがもらえればよかったですが、そのままレイアップに行ってブロックされていました。

ベンチでも指示したのですが、もっと鋭くカッティングすればファウルも生まれてくるのですが、相手のボディチェックもあり、こちらの体力が落ちていたのもありました。ドライブインからファウルねらいの指示は出していましたが、最後はそこでファウルがもらえなかったために、流れが向こうに行ったかもしれません。

――終盤は攻撃の展開も少しよくなりました。どのように修正したのですか。

3ポイントが入ったことで、流れがつかめました。あとは間宮が、何本か相手センターにシュートをブロックされましたが、それでも攻めることを止めずに、よく相手の大きい選手に向かって行ってくれました。

――今大会、間宮選手はずっと安定していますね。

そうですね。この大会、間宮がチームの柱としてやってくれないと日本の勝ちはないので、明日からも頑張ってもらわないといけないです。

――藤原選手もようやく当たりがきました。次につながるいい材料になりましたね。

そうですね。1本入ったことで、落ち着いたと思います。次につながるいい仕事をしてくれました。

――4年前のスペインでの世界最終予選でもチェコと対戦しています。そのときと比べて今回の手応えは?

チェコも最後はバテていたので、そういう意味では最後に勝ち切れなかったのが悔しいです。明日の準決勝は、どちらになるかわかりませんが、また切り替えて試合に臨みます。
 
◆次ページでは、間宮佑圭、田中利佳、吉田亜沙美選手のコメントを掲載
 

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