準決勝  日本vs韓国
オリンピックへ王手。韓国に79-51で快勝

取材・文/舟山 緑  取材・写真/小永吉陽子

プレッシャー・ディフェンスからの走りで主導権を握る。ロンドンまで「あと1勝」

アジアのライバル・韓国に、こんな大差で勝負が決まるとは誰が予想しただろうか。
スコアは79対51の28点差。「残り1枚」の切符を目指して、日本チームが勢いに乗っている。
FIBA大会において韓国に勝利したのは、2004年1月に仙台で開催されたアテネ五輪予選以来。
8年ぶりの韓国戦勝利は、「オリンピックへ王手」となる大きな勝利となった。

ロンドンまで「あと1勝」――。
決戦は7月1日(日)18:00(日本時間2日0:00)から。
FIBAランキング11位、カナダとの対決だ。

立ち上がり、日本は怒濤の攻めを展開した。リバウンドからの速攻に#5髙田真希が走ったのを皮切りに、
#13大神雄子のキレのいいミドルショットが決まり、#12吉田亜沙美も速攻に走る。ディフェンスではタイトな守りで韓国になかなか得点を許さなかった。

2分過ぎ、#10藤原有紗に代わって#8田中利佳が入ると、さらにチームにリズムと機動力が生まれた。吉田の3ポイントに続いて#6間宮佑佳のローポスト、大神-田中による速攻が決まって14対2。韓国が2度のタイムアウトを取るも、日本ペースは変わらず。3ポイントや速攻、ミドルショットを繰り出す日本を韓国は止めることができなかった。

韓国はセンター#15シン・ジョンジャがポストからのミドルショットで応戦してくるが、武器である3ポイントが単発に決まるだけで、ペースをつかむまでには至らない。前半を終えて29対4。大神がアグレッシブなプレイで18得点をマーク。タイトなディフェンスを展開する日本が韓国を圧倒し、完全に主導権を握っていた。

後半も日本の勢いは止まらなかった。#12吉田、#13大神、#8田中らによるアーリーの展開。センターの#5髙田、#6間宮らも果敢にポストで勝負し、渾身のリバウンド奪取を見せた。韓国もメンバー交代を繰り返しながらおいすがってくるが、第3Q を終えて65-33。日本が30点以上のリードを奪っていた。この後、日本はベンチメンバーも全員出場し、79対51でタイムアップとなる。ライバル韓国に対して28点差の大勝だった。

タイトなディフェンスで相手ミスを誘った日本。ターンオーバーは日本7に対して韓国は23。スティールも日本が13本(韓国3本)。チェコ戦に続いて大神のスティールが前半から炸裂し、チームを波に乗せた。集中力が今ひとつの韓国のスキを突いて、髙田、吉田、大庭らのスティールも光った。ファストブレークからのチーム得点は18得点(韓国は4得点)。日本が目指す、ディフェンスから走るバスケットが冴えた一戦となった。

大神は得点力を爆発させて20得点。田中も3ポイント2本を含む12得点をマーク。吉田もこの一戦、3ポイント、ドライブと果敢に点を取りにいき10得点。髙田も11得点と調子が戻ってきた。間宮は4得点ながら、気迫のリバウンド奪取(6本)で勝利に貢献した。

内海知秀ヘッドコーチ

ディフェンスが非常に安定してきて、走るバスケットで先手を取ることができた

――今日の勝因は?

今日は本当にいいゲームが出来ました。昨日のチェコ戦のように、ディフェンスが非常に安定してきていると感じています。今日もそのディフェンスを頑張って、そこから得点に結びつけ先手を取ることができたのが勝因です。韓国はベテラン選手が多いので、ゲームがタイトになってくるとゲームの作り方が非常に上手くなってきます。しかし、今日は出だしで大きなリードが取れたのでいい流れになりました。

――今日は大神選手を1番で起用しています。それがいいリズムにつながっていますか。

今日、大神と話をして「1番で行こう」と指示しました。JXでもずっとそのスタイルで来ましたし、1番のほうが大神に合っていますから。それに、今日のマッチアップを考えた時に、大神につく選手が大きい選手なのでボール運びにはそんなに問題なかったですし、逆に吉田を走らせたほうが機動力のあるチームになると思いました。

――それが今日のチームの勢いにつながっていますか。

そうですね。あとは大神自身の攻めにもつながって、前半で18得点を入れているので、うまくいきました。

――第1Qの失点は4点のみ。前半を終えて27点のリード。このスパートで「今日は行ける」という手応えはありましたか。

そうですね。第1Qでいい形で入れて、シュートの確率がよかったので(11/15=73%)、いい感じだなと思っていました。ここまでの3ゲームでディフェンスが非常に安定してきたので、それがよかったかなと思います。

――いつもの韓国ならば、「ここ1本」の3ポイントやゴール下を決めてきます。それがあまり爆発しませんでした。

韓国は3ポイントが巧いチームなので、そこはしっかり抑えなくてはと考えていました。しかし、今日はどちらかというと元気がないような印象を受けました。出だしでああいう形になったので、それで気持ちが切れたのかなと思います。

――アーリーの展開に持ち込めたほかに、今日の収穫点はどんな点ですか?

髙田が少し調子を戻してきたというのがあります。それがよかったです。髙田が低迷したままだと明日のゲームが困るので、髙田がよくなってきたのは大きいです。交代の木林も、自分の仕事をしてくれています。コートに出た選手がそれぞれ自分の仕事をしてくれています。

――カナダとは昨年の親善試合で対戦していますし、今年はアメリカ遠征をしたときにゲームをしています。その時はどうでしたか。

この春の遠征では10ゲームを2試合ほどしましたが、まだチームが出来ていない状態で、メンバーも交代させながら起用していたので、あまり比較ににはなりません。

――明日はどう戦いますか。

明日はチームが目標にしてきた最後の戦いなので、しっかりと勝ちにいかなくてはいけない大事なゲームになります。そのためには、ディフェンスをしっかり頑張ることが1つのキーになります。選手たちも自ずとそういう気持ちになっているはず。相手に対しての対策はスタッフで考えていきます。「ロンドンへの切符を何としても獲る!」、その強い気持ちで自分たちのバスケットをやるのみです。

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