険しかったロンドンオリンピックへの道
激闘のオリンピック予選を12戦士が振り返る

取材・文/舟山緑  取材/小永吉陽子、松原貴実  写真/三上 太、星野志保  Interview/Midori Funayama Yoko Konagayoshi Takami Matsubara


準決勝の中国戦の激闘に敗れ、気持ちの切り替えが難しかったチャイニーズ・タイペイとの3位決定戦だったが、
日本は最後に自分たちらしいバスケットを見せた。
その試合直後に、それぞれの思いを聞いてみた。
今大会の自分の出来、見えてきた課題は何だったのか──。

 

♯4 名木洋子  Yoko Nagi

気持ちの面で成長できたが、
もっと信頼に応えられる選手にならなければ

3位にならないとロンドンへの道も完全に断たれてしまうので、気持ちの切り替えはできました。今日はいい形で入れたので、気持ちよくプレイができました。

大会を振り返ってみると、大事な試合でコートに出た時に、ベンチで見ていて自分が入ったらこうプレイしようと思っていても、中国戦など攻め切れていませんでした。自分が切って行って打開しようと思ってコートに出ても、連続してシュートミスをしてしまい、その後もチャンスがありませんでした。大事な場面で「ここは名木に」と、ベンチに思わせるだけの信頼感を与えることができず、残念で悔しいです。気持ちの面で強くなり成長できた大会ですが、もっとベンチの信頼感に応えられる選手になれるようにしていきたいですし、なれなければいけません。

♯5 髙田真希  Maki Takada

ロンドンへの道が残っているのだから
3決は日本らしい試合がしたかった

オリンピックへの切符をここで勝ち取りたかったという気持ちが強かったですが、昨日(準決勝の中国戦)は悔しい結果になりました。でも、自分たちにはまだロンドンへの道が残っていたので、今日はしっかり勝つために出だしからいい入り方ができたと思いますし、個人としても気持ちが出せた試合でした。

プレイしている自分たちもですが、見てくれる方にも恥ずかしくないバスケットをしよう、日本のバスケットをファンの皆さんに観てもらおうと、中川さんから昨日言われました。やる気のないプレイをしたらこの12人の中にいる価値がないと言われ、もう一回、日本の走るバスケット、一人ひとりが役割を果たしたバスケットを見せようと臨みました。その気持ちが表れた試合ができたので、すごくよかったと思います。

 

♯6 間宮佑圭  Yuka Mamiya

準決勝、3決と迷いなくシュートが打てた
相手センターに対抗できるスキルが課題に

3決は、スタートメンバーが頑張る姿を見てすごく安心してコートに立つことができました。シュートも準決勝に続いて、迷いなく打つことができました。実は準決勝の中国戦はあまり覚えていないんです。韓国戦で一度気持ちがピークになり、その後少し気が緩んでしまい、連戦の難しさを感じました。でも、不思議と準決勝の中国戦は迷いなくプレイができました。シン(大神)さんに「リバウンドで頑張ります」と宣言し、実際にはそれほど取れてはいませんが、その迷いのなさがシュートにもいい影響を与えたのかもしれません。

中国のチェン・ナン選手や韓国のハ・ウンジュ選手といった長身選手への守りは、ボールをもたせると相手の思うようにやられるので、ボールをもたせないようプレッシャーを心がけました。十分にできたとは言えず、全体的なレベルアップが今後への課題です。リバウンドにしてもボールを追うのではなく、ボディチェックやボックスアウトなど、高さだけを言い訳にしないで、他の部分で対抗できるようなスキルを身につける必要を痛感しました。

 

♯7 三谷 藍   Ai Mitani

3決は走り勝てたがプレイの徹底に課題を残す
今大会は自分の仕事ができなかった

チャイニーズ・タイペイは予選ラウンドで中国や韓国と競って調子を上げてきていたので、気を引き締めてゲームに臨みました。今日(3決)は走り勝てたし、ディフェンスのプレッシャーも効いていたと思います。ただチームが若返った分、プレイの徹底という面で課題も多く残りました。ナンバープレイがやりきれていないとか、身体を張ってルーズボールを追うことも一試合を通してできていませんでした。

私自身は大会中にヒザの痛みもなく万全の体調でした。でもシュートが入らず、外のディフェンスも全然だめで、点数をつけるとしたら赤点です。3Pシュートも初戦から確率が悪くて、ベテランとしてチームの立て直しもできずに貢献できなかったことが悔しいですし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。若い選手たちは気持ちの切り替えも早く感心するほど。そういった頼もしい若い選手たちとともに「プレイの徹底」を強化していけば、必ず韓国にも中国にも勝てるチームになれると思っています。
 
 
♯8 石川幸子  Sachiko Ishikawa

チームとして前半戦の勢いを持続できず
自分の仕事も十分に果たせなかった

3決は日本の走るバスケットができました。でも、この大会でオリンピック出場を決めたいという気持ちが強かったので、悔しい思いしかありません。昨日の負けを結構引きずっていましたが、このままでは終われないと思い、会場に着く頃には気持ちを切り替えていました。ここまでの試合で自分のやるべきことが十分にできていなかったので、今日はディフェンスとリバウンドを頑張ろうと思って臨みました。

大会を通して日本のディフェンスの厳しさやスピードは通用していたと思います。でも、大会前半戦の勢いが後半へと持続できなかったのが敗因になりました。韓国戦の前半までは勢いがあったのに、ゾーンを組まれて攻めきれず敗れてしまったことで、その勢いがしぼんでしまいました。それと、中国戦で自分が出た時に仕事ができなかったことに、とても責任を感じています。3位になったことで(来年の)世界最終予選につながったので、この反省をつなげていかなくてはと強く思っています。
 
 

♯9 久手堅笑美  Emi Kudeken

1対1で勝負に行けなかった悔しさ
中国選手のメンタルの強さを実感

3決は、試合前にみんな気持ちを切り替えていて、しっかり日本らしくやろうと言ってそれが出せたゲームだったと思います。主力が大量リードしてくれたので、やりやすかったです。私自身は集中してやれましたが、納得していません。自分の仕事は、ゲームメイクはもちろんですが、何が得意かといえば1対1なので、もっと積極的に点を取りに行きたかったです。そこで勝負にいけなかったのでは、迷いがあったから。ドライブで切って行ってもブロックされるのではないかという迷いが出てしまいました。でも、勝負しないと始まらないので、次にチャンスがもらえたら、しっかり自分のプレイで勝負したいと思います。

中国はやっぱり大きかったです。当たりも相当強かったし、メンタル的にも強かったですね。ヨーロッパ遠征の時にズレを作ってシュートすることを学んできたつもりだけれど、そこが修正しきれませんでした。準備が足りなかったです。私自身、このアジア選手権で戦えたことは大きな経験になりました。肝心なところで1本決めてくる中国選手のメンタルの強さなど、多くの収穫がありました。それをチームに持ち帰ります。

1 / 212