延岡学園高 vs 尽誠学園高 戦評&コメント
延岡学園が2年連続2回目の優勝

文/小永吉陽子  写真/一柳英男

インターハイ後にコーチが変わった中で果たした優勝。インターハイに続いて2冠達成した延岡学園

最大23点差からの大接戦。延岡学園が勝負所のシュートを制し、2年連続2回目の優勝

◆男子の大会結果と大会ベスト5はこちら

■男子決勝
延岡学園 68(23-9、17-16、13-21、15-20)66 尽誠学園

【スタートメンバー】
延岡学園:#4寺園脩斗/#5ジョフ・チェイカ・アハマド・バンバ/#6平田貴大/#7山田将吾/#8佐藤友弘
尽誠学園:#4岸貴耶/#6山野祐太/#7渡邊雄太/#10東原寛大/#12川上潤平
 

注目された2メートル級エース対決
信頼と粘りのバスケットを発揮し、最後の1秒まで白熱戦

破壊力があるバンバの攻防。決勝では40分間出場し、25得点、16リバウンド

 男子決勝戦は、インターハイで優勝した延岡学園(宮崎)と、下位回戦から接戦を勝ち抜いてきた尽誠学園(香川)の対決。延学はリード力とシュート力を兼ね備えた司令塔の#4寺園脩斗と#5ジョフ・バンバ(200㎝)の破壊力を中心に、忠実に自分の役割をこなす3年生たちが脇を固める。第一シードの力を発揮し、全試合に危なげない展開で勝ち上がってきている。

 一方の尽誠学園は、2回戦でインターハイで敗れた正智深谷に逆転勝利を収めたことで自信が芽生え、以後は昨年を彷彿させる粘りを発揮。準々決勝では下級生主体で勢いのある福岡大附大濠、準決勝では優勝候補の一角である洛南に対して、劇的な逆転勝ちを演じて2年連続決勝の舞台へと進んだ。2年連続となった決勝カードは、延学の#5ジョフ・バンバ(200㎝)と尽誠の#7渡邊雄太(197㎝)のエース対決が最大の見どころとなった。

 1Qは延学のペースだった。司令塔の寺園が#4フェイスガードされるものの、エース#5バンバが1対1で尽誠の#7渡邊を圧倒。最後は3Pまで決めて、23対9と14点の大量リードを奪う。渡邊も何度か1対1を試みるも、バンバを攻略できず。最大23点差、40-25で3Qに突入する。

 後半に入ると、尽誠はバンバに対してダブルチームでプレッシャーをかけ、また#7渡邊もプレッシャーを強め、長い手を伸ばしてバンバの攻撃を狂わせた。渡邊はさらに積極的にオフェンスリバウンドに飛び込み、フリースローやゴール下シュートを決める。これが起点となり、#9楠元の3ポイントが炸裂。3Q終了時で53-46。延学のリードは7点まで縮められた。

 4Qも尽誠はリバウンドを取ることでジワリジワリと反撃し、残り4分23秒でついに60-60と同点に追いつく。延学は絶対的得点源の#5バンバを抑えられ流れは尽誠だったが、この大事な場面でキャプテン#4寺園が2連続3ポイントを決め、66-60と6点リード。尽誠も#6山野がリバウンドからフリースローを獲得し、さらに#7渡邊が豪快なドライブで加点し、再び66-66で同点。しかし、残り28秒にバンバが仕掛けたドライブが決まって、延学が1ゴールリード。尽誠は最後の攻撃が実らず、68-66で熱戦を制した延岡学園が2年連続2回目の優勝を飾った。

延学の起点であるポイントガードの寺園を、岸、楠本らでフェイスガードで守ってリズムを狂わせる作戦をとった尽誠

 ジョフ・バンバと渡邊雄太―――昨年からの超高校級エースプレイヤーを擁したチームの決勝。しかし、昨年と同じチーム力かといえば、そうではない。ともに苦悩を乗り越えて進化を遂げていた。

 延岡学園はインターハイ後に指揮官交代という危機を乗り越えてきた。男女の高校で優勝経験を持つ北郷純一郎コーチ(現bj宮崎ヘッドコーチ)の勇退後に就任したのは29歳の若き内村昌弘コーチ。就任当初は慣れない不安要素から選手とコーチ間で揉め事が起きたという。しかし「私が選手の意見を聞くことに重点を置き、選手の自主性を尊重してきました。うちにはコートの中にコーチがいますから」と、内村コーチが全幅の信頼を置く司令塔の寺園がリーダーとなってチームをまとめてきた。また、ここ2年間はこれまでインサイドの柱となってきた留学生とはタイプが違い「バンバの破壊力はハーフコートでは収まらない」(内村コーチ)という持ち味を存分に生かし、オールコートバスケを展開できたことが連覇できたいちばんの要因だろう。特に今年はウイングを走ることを徹底してきた。

 尽誠は昨年のウインターカップ準優勝の躍進後、チームの特徴が作れずに夏は初戦敗退。「昨年の準優勝は3年生たちが出した結果。自分たちは力がないのに勘違いしていた」と悔し涙に暮れていた渡邉がU18代表のキャプテンを経て、自覚とたくましさを身につけたことで真のエースへと成長。2回戦で夏のリベンジとなった正智深谷戦を制したあとは、チームの迷いがなくなった。特に、渡邊がインサイドとアウトサイドを臨機応変にこなすポジションチェンジもスムーズに行えるようになり、2メートル級がポイントガードとして展開するスタイルは圧巻だった。この渡邊のポジションの使い分けにどこのチームも対応できなかったのだ。一戦勝つごとに自信もつき、「あきらめない粘りが持ち味」(#4岸)だと、昨年同様、胸を張って言えるチームとなっていた。

 2年連続のファイナル対決は、ともに課題を乗り越え、チームの特徴を3年生最後の大会で最大限に出し切った白熱のファイナルだった。
 
 
◆次ページは延岡学園・尽誠学園 コーチのコメントを掲載
 

1 / 3123