韓国の未来――注目の6選手を紹介
黄金期を迎えた韓国大学界のライバルたち

文・写真/小永吉陽子、細田季里

韓国バスケットボール界を揺るがす期待の20歳

文・写真/小永吉陽子  通訳・翻訳/パク・サンヒョク、北内大威斗
 
 

右がイ・ジョンヒョン、左がチェ・ジュニョン。2人は景福高時代の同級生でチームメイト

イ・ジョンヒョン LEE , Jong Hyun
(206㎝/C/高麗大2年、写真右)

ウイングスパンは220㎝!
韓国待望のクレバーなセンター

 
 
 
チェ・ジュニョン CHOI , Jun Yong
(202㎝/SF/延世大2年、写真左)

身体能力抜群!
2メートルのスウィングマン

 
 
 
 
 
将来の韓国を背負って立つ2メートルプレーヤーだ。ともに名門・景福(キョンボク)高出身の同級生。高校3年時には2人そろってU18アジア選手権でベスト5に選出された。現在は大学2年生で高麗と延世という名門チームの顔に成長し、昨年はともに大学1年生で国家代表にも選出され、初のアジア選手権に出場した。

イ・ジョンヒョンは206㎝の身長ながら、広げたウイングスパンは220㎝。リバウンドとブロックショットで相手の息の根を止めることを得意とし、シュートの決定率も高い。チームに必要なプレーを必要な時に選択して遂行する賢さを持ち、これまでの韓国にはいなかったクレバーなセンターの出現である。高校3年だった2012年、初めて代表に選出されてオリンピック最終予選に出場したときも、KBLの先輩たちに混じって順応していた姿には驚きを隠せなかった。今シーズンは冬の間にウエイトトレーニングを積んで、上半身をパワーアップして臨んでいる。

チェ・ジュニョンは身体能力抜群で、2~4番までをこなすスウィングマン(SFとSGの両方をこなすプレーヤー)。巧妙なのが力の抜き具合だ。飄々(ひょうひょう)としたプレースタイルでしなやかなアウトサイドシュートを放ったかと思えば、突然ギアをトップに入れて、トップスピードに乗ったドライブインや、ランニングプレーから目の覚めるようなダンクに持ち込む。ジャンプ力も高くブロックショットも豪快。李相佰盃でも、この緩急あるプレーに日本の選手たちは惑わされていた。

イ・ジョンヒョンが常に一つ上の世代に混じってアンダーカテゴリーから活躍してきたのに対し、チェ・ジュニョンが開眼したのは高3の夏だった。

高校3年の6月に日本で開催されたウィズアウト・ボーダーズ・アジアキャンプ(NBAとFIBA主催のキャンプ)でも高い攻撃力を見せていたが、この時はまだ力を持て余しているようだった。

変貌を遂げたのは8月に開催されたU18アジア選手権。終盤まで劣勢に追い込まれた準決勝のイラン戦において、38得点、8リバウンドをマーク。チームのピンチを救う活躍をしたことで、自覚が芽生えてきたのだ。最終的には中国との死闘の末に準優勝となったが、ポイントゲッターとしての成長は、SGのポジションで「ベスト5」として評価された。この時からアウトサイドのプレーの幅が広がっていった。

だが逸材とはいえ、問題がないわけではない。まだ下級生ゆえに、チェ・ジュニョンはムラッ気があり、集中力持続が課題。イ・ジョンヒョンについては、現在大学界のインサイドは彼の独壇場なのである。昨年までは唯一のライバルとして207㎝のセンター、キム・ジョンギュ(慶熙大→LG)がいたが、ライバル不在となった今年は、昨年ほど彼のプレーにエネルギーが感じられない。

また昨年は、鼻骨骨折をしたことで6月に開催されたU19世界選手権を欠場しているが、自分よりも大きく力のある同世代と対戦できなかったことは、世界と戦う機会がなかなかないアジア勢としては残念なことでもあった。

もっとも、昨年はA代表でアジア選手権、B代表で東アジア選手権に出場していたことから、U19と大学を入れて4つのチームの掛け持ちは、体力的にも不可能だったことだろう。今年の李相佰盃でもそうだったが、疲労蓄積を懸念してプレータイムを制限しているせいか、最近、全力のプレーを見たことないのも気になるところだ。

とはいっても、この世代では間違いなくアジアでトップの2人。現在はそろって韓国代表候補15人に残っている。2人の闘争本能に火がつくのは、各国の強豪が集うスペインでのワールドカップか、それともアジア競技大会か。国内では味わえない“世界”と対峙したあとに、何を気付き、どう成長していくかに注目したい。

「僕らの世代が将来の韓国代表になることは今から考えています。でも自分には代表での経験が足りず、自分の力の全部を出せていないので、今は先輩たちから巧さと経験を学んでいます。世界に出て戦いたいという気持ちは当然あります。将来、韓国といえば、自分の名前が一番に出てくるような選手になるように頑張りたい」(イ・ジョンヒョン)

「自分はまだアウトサイドのシュート力が足りないし、ディフェンス力もまだまだ。一生懸命にやって、将来はどのチームでも必要とされる選手になりたい。ワールドカップに出られれば光栄なこと。国際大会では学校に行く気持ちで、他の国の選手から多くのことを学びたいです」(チェ・ジュニョン)
 
 

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