試合レポート/ヘッドコーチ&選手コメント
ヨルダンに56-65で敗戦。ワールドカップへの道が断たれる

負けられない一戦。決死の覚悟で臨んだ日本だが、またしても思うような日本のバスケットが出来なかった

取材・文/舟山 緑   取材・写真/小永吉陽子

セカンドショットでつながれてヨルダンペースに。最終クォーターの必死の追い上げも及ばず

■8月7日:2次ラウンド【グループE】第3戦

日  本  56(13-15、11-15、11-15、21-20)65  ヨルダン

 グループEとグループFによる2次ラウンド。各グループの上位4チームが明日9日からの決勝トーナメントへと進む。この第3戦は勝ったほうが8強入りする。日本は何としても、このヨルダンに勝たなくてはいけなかった。

 第1クォーター、日本は#10竹内、#11桜井のホットラインからインサイド攻撃を仕掛け、#9栗原もブレークに走って得点し、11-8とリードを奪う。しかし、ヨルダン#11のブザービーターの3ポイントで13-15と逆転される。第2クォーター、日本は#12桜木に代わって#15市岡(ショーン)がリバウンドやゴール下で踏ん張りを見せるが、ヨルダンにリバウンドを支配され、#8を中心に3ポイントやミドルショットを要所で決められて終始、ヨルダンを追う展開となる。

 6点差を追う第3クォーターの立ち上がり、ヨルダンに3連続ゴールを奪われる。さらにセンター#13の活躍で残り4分には25-43と、この試合最大の18点ビハインドとなる。なかなか得点が伸びない日本。ガード#13辻が2本連続で3ポイントを沈めるが、その後の攻めが続かず波に乗り切れない。

 10点差を追う最終クォーター、執拗なディフェンスから果敢な攻めを見せたのは、#6比江島や#13辻だった。比江島はスティールからの速攻やドライブインで加点。残り3分を切って辻が1対1から果敢なジャンプショットを決め、さらに残り1分を切って渾身の3ポイントを3本沈めて気迫の猛追を見せたが、日本の反撃もここまで。56-65でタイムアップとなった。

 終始、ヨルダンペースで進んだこの一戦。ヨルダンもシュート確率が決していいとは言えなかったが、リバウンドへの執念を見せてタップでシュートをねじ込んできた。このセカンドショットでつながれたのが、日本にとっては痛かった。終盤、ガード辻が見せたような“魂のこもった”気迫のプレーが、チーム全体で欲しかった。

 この敗戦で日本はグループE5位に終わり、決勝トーナメント進出は断たれてしまった。同時に、チームが目標としてきた上位3チームに与えられるFIBAワールドカップへの道も閉ざされてしまった。

 チームは今日(8日)の休息日をはさみ、明日8月9日12:45(現地時間)から9-12位決定戦でインドと対戦する。
 
 
◆大会公式サイト(FIBA ASIA)
◆大会特設サイト(日本バスケットボール協会)
 
 

最大18点ビハインドから追い上げた日本。しかし、逆転するための怒濤の攻めが展開できず、ヨルダンに突き放された

■鈴木貴美一ヘッドコーチ

大事な場面でのリバウンドを徹底できず。日本が目指すディフェンスのゲームが出来ず

 お互いにディフェンスのゲームとなり、相手も入らない、日本も入らないという状況の中で、勝負所のリバウンド、それに尽きると思います。追い上げている肝心なときにやってはいけないターンオーバーがあり、勝負所で大事なリバウンドを奪われ、そこが徹底できませんでした。勝負はそこが大事であり、その大事なところ、ボールに対する大事なところが出来ていなかったです。

 このチームは得点力がないので、我慢をしながらディフェンスのバスケットをしなくてはいけないですが、その大事なところが出来なかったことに尽きます。

 予選ラウンドの緒戦でカタールに負けたことで、(2次ラウンドは)24時間も経たないうちに次の試合をやることが2回あり、その影響でリバウンドに対するエナジーがなかった。私自身、もう少し選手起用を工夫することで何とかなったかなと思う部分もありますが、勝負所でのちょっとした部分がまだまだ弱かった。これは、(チームの現在の)力です。

■#9栗原貴宏(25:55出場/8得点/2リバウンド)

リバウンドが取れず、チームディフェンスができず、流れを持ってこられなかった

ヨルダンのポイントゲッター8番にマッチアップした#9栗原。シュートやリバウンドでしぶといプレーを見せた

 次につなげるための大事な試合でみんな気合いを入れてやりましたが、リバウンドを相手に取られてしまい、流れを自分たちに持ってくることができなかった。自分たちのバスケットができず、悔しいです。

 自分は8番(ジミー・バグスター)を抑えるディフェンスを任され、相手も嫌がっていましたが、途中途中はやられてしまいました。ちょっと止めただけではなく、一試合を通して止めないと役割を果たしたとは言えないと感じています。

 大会を通しての反省は、相手のやりたいことをやらせないチームディフェンスというのが必要になってくるということで、それができなかったこと。オフェンスはどうしてもいいときと悪いときの波があるので、オフェンスが悪いときはこういう負け試合になってしまいます。オフェンスがダメでもディフェンスを頑張れば自分たちの流れになると思うので、ディフェンスからやらなくてはなりません。

 カタール戦で逆転負けをしてからみんなで「切り替えよう、切り替えよう」とやってきたのですが、ゲームをやっているうちに、リバウンドを取られたり、悪い流れになってしまったときに踏ん張り切れなかったです。立て続けにやられてしまったときに、そこで「しっかりやろうよ」とか声を掛け合うのがなかった。いくら外(ベンチ)から声が出ていても、プレーするのは中の人たちなので、コートのプレーヤーがやっていかなきゃいけなかったという反省が残ります。

■#13辻 直人(18:01出場/14得点)

持ち味を出して果敢に攻めることは出来たが、イージーなパスミスからブレークにつながれた

 本当に悔しいし、申し訳ないです。みんなこの大会に懸けていて、凄く大きなものがあったし、それで臨みましたが、初戦のカタールに負けて、そのままズルズルきてしまった部分があります。

 ベンチから「シュートを打っていけ」と言われ、ディフェンスもそこまでハードじゃなかったので、行けるところは行こうと思ってプレーをしました。

 自分のスタイルは通用した部分もあったし、2次ラウンドの3試合は自分の持ち味を出して崩すというか、果敢に攻めることができました。でも、それを最初のゲームから出来なかったのは、初めてのFIBAアジアということでちょっと構えてしまった部分がありました。そこは本当にもったいなかったですが、後半戦は自分の良さを出せて良かったです。

 その中でも狙い過ぎてイージーなパスミスを出してしまい、そこから相手にブレークを出され、一人では守り切れないので、簡単に速攻になってしまったのが、この大会の怖さでした。そういうイージーなミスをしていては成長できないと思うので、そこはなくしていかなければと痛感しました。

 残りの2試合、全力でプレーするのみです。今日も前からプレスしてスティールができたし、そうした一つ一つのプレーが自信になっていくのが、この大会の良さでもあります。それを全面に出して、簡単なミスをしないことを心掛けて果敢に攻めていきたいです。

■#6比江島 慎(20:25出場/4得点/2リバウンド)

ガードとしてアグレッシブにアタック。シュートを決め切れない弱さが出た

 相手を追いかける展開で、ゆっくり攻めている時間はなかったので、ミスを恐れずにとにかくゴールに向かっていこうとプレーしました。2クォーターでドライブからねらったシュートは、チェックが来ないだろうと思って切っていったのですが、高い位置でブロックされてしまいました。アジャストしたつもりでしたが、やられました。その反省から後半は、周りを見て落ち着いてパスを出したり、アグレッシブにアタックしようと切り替えたので、そこは出来たかなと思います。

 ベンチの指示は、リバウンドでやられているので、しっかりリバウンドを取りそこからブレークを出すこと。相手はトランジション・ディフェンスが悪いので、そこを狙っていけという指示でした。攻撃では、ノーマークで打てたシュートもあり、あとは決めるだけでしたが、そこの調子が(チーム全体で)悪かったです。ディフェンスはそんなに悪くなかったですが、シュートが入らないときでもしっかり勝てる力をつけないと、アジア選手権では勝っていけないと感じています。今日はその弱さが出てしまいました。

 勝ちに向けてチーム一丸となるために、自分でもコートの中で声を出して盛り上げていこうと思い、一番声を出したシーンもありました。でも、(7月の)ジョーンズカップの時よりもチーム一丸になれていない部分があるかもしれません。

◆次ページは、キャプテン桜井良太の試合後の一問一答
 

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