試合レポート/ヘッドコーチ&選手コメント
インドに73-64で逆転勝ち。日本は9位決定戦へ

前半はリズムがつかめず、最大17点のビハインドを許してしまう。後半は徐々に日本ペースに。ベンチもようやく明るいムードとなった

取材・文/舟山 緑   取材・写真/細田季里

インドペースだった前半。後半、ディフェンスからブレークに走って逆転、逃げ切る

■8月9日 ◆9-12位決定戦

ホンコン・チャイナ  87(30-18、13-25、20-16、24-20)79  バーレーン

日  本  73(16-25、13-16、21-13、23-10)64  インド

【スタートメンバー】
#7太田、#9栗原貴宏、#10竹内公輔、#11桜井良太、#14金丸晃輔
【得点】
#10竹内/12得点、#13辻/12得点、#6比江島/10得点、#7太田/10得点、#5田中/9得点

 休息日をはさんで9-12位決定戦に臨んだ日本。ここまでスタートを務めてきた#12桜木ジェイアールに代えて、#7太田敦也を起用。前半はディフェンスの甘さから、インドにインサイドもアウトサイドも簡単に許してしまい、追いかける展開となる。1クォーターの残り1分に桜木を投入するも、インドペースは変わらない。前半を終えて29-41と、12点のビハインド。

 第3クォーターの2分過ぎ、#田中大貴から#10竹内公輔への速攻が決まり、さらに田中がブレークに走って37-46。インドのシュートが次第に落ち始め、ディフェンス・リバウンドを拾ってはブレークにつなげることで、日本は試合の主導権を握っていった。センター陣にファウルがかさむインドに対して、日本は#15市岡(ショーン・ヒンクリー)のゴール下のバスカンや#7太田の1対1からのフックシュートなどで加点。第4クォーター残り4分過ぎには逆転する。さらに#13辻直人によくやく当たりが戻り、3ポイント、ブレークと連続してゴールを奪取、一気にインドを突き放した。

 リバウンド本数は37本と互角だったが、相手のターンオーバーからの得点、ペイント内での得点、ファストブレークでの得点でインドを上回り、勝利を収めた。

 この一戦は、#7太田や#15市岡らのインサイド陣、また#5田中、#6比江島慎、#13辻などの若手メンバーがアグレッシブなプレーを見せた。第3クォーターには、比江島から田中へのアリウープパスからの鮮やかなシュートも生まれた。また、残り9秒でコートに入った#8渡邊雄太が、このわずかな残り時間でドライブからのレイアップを決めた。

 明日8月10日は日本にとっての最終戦。現地時間12:45(日本時間:13:45)から、9位決定戦でホンコン・チャイナと対戦する。
 
 
◆大会公式サイト(FIBA ASIA)
◆大会特設サイト(日本バスケットボール協会)
 
 

パスミスも多かったが、果敢な攻めがようやく出てきたインド戦

■鈴木貴美一ヘッドコーチ

後半は目指すバスケットができた。明日はそれを40分間、やり遂げたい

――太田選手をスタートに起用しました。その意図は?

 太田君のプレータイムがこれまで少なかったので、チャンスを与えようとスタートに起用しました。当然、今までとは違ったリズムになるとは思っていました。日本が目指すディフェンスが出来たら勝てるし、出来なかったら負けるだろうと読んでいて、そこは少しギャンブルでしたが、スタートを太田君に託しました。インドとは昨年のアジアカップの時に前半競っていて、後半に突き放しているので、そうした展開を予想していました。しかし、今日の前半はリードされすぎでした。

――試合は逆転勝利となりました。太田選手の出来は?

 太田君は前半からローポストで積極的に攻めてくれ、後半もよくやってくれました。リバウンドでもチップしてくれたりと、いい働きをしてくれたと思います。

――前半はインサイドとアウトサイドの両方で相手に気持ちよくシュートを決められました。後半、相手のシュートが落ちてきたところのディフェンス・リバウンドを獲ってブレークが何本か出ました。その流れも計算のうちでしたか。

 勝負はおそらくこういう形になるだろうと思っていました。トランジション・ディフェンスがあまりいいチームではないので、リバウンドさえ獲れればブレークが出せると計算していました。

――今日もイマイチ、外角のシュートが入っていません。その点への助言は?

 シュートに関しては、みんながナーバスになりすぎています。「シュートが入らない、どうしよう」というプレッシャーが、今大会ずっとあったと思います。私がもう少しリラックスするような言葉をかけてやれればよかったのですが。どの選手も肩がちょっと上がっていたので、「単純にシュートをねらっていこう」と指示をしました。

――それはシュート・セレクションの問題ですか。それとも別の何かですか。

 シュート・セレクションではなく、「どうしよう」と迷って、“打たされている”シュートになっているからです。パスを回しているうちに時間がなくなり、あわてて打つシュートになっていました。そういうシュートばかりだったので、「今日こそは、プレッシャーから解放されたのだから、空いたら打て、相手がついてきたら抜いていけ。単純な攻めをやっていこう」と言いました。後半は、それが出来ました。

――選手は気持ちの切り替えが出来ていますか?

 そこは一番大変でした。何年もやっているチームならば翌日、スッと切り替えて修正がきくのですが、寄せ集めのチームだと乗ればガッと上昇していけますが、ダメだとガタガタと崩れてしまう。我々スタッフも一生懸命に「明るく切り替えていこう」と声をかけていますが、代表歴が浅い選手が7人もいるので難しかったです。竹内君や桜井君はすぐに切り替えていましたが、経験のない7人は眉間にシワを寄せていました。みんな一生懸命に素直なのですが、負けが続いて肩が縮こまってしまっていました。そこは経験の差ですね。

――そいう時こそコートの中で、またベンチで声を掛け合って、お互いに肩の力を抜いたり、奮い立たせるような雰囲気を作っていくことが大事だと思います。その点はどうでしょうか。

 そうですね。そこは性格的なこともあります。メンバー構成を考えた時に“元気マン”のようなリーダーシップをとれる選手を入れていかないとダメかもしれません。私がいくら一生懸命に声を出してもしかたがありません。

――このインド戦も辻選手のアグレッシブな働きが目につきました。他の若手メンバーはどうですか。

 今日は田中君もいいディフェンスをしてくれましたし、比江島君も要所でいい動きを見せてくれました。本当は(最年少の)渡邊君をもっと使いたかったのですが、ビハインドの展開で出すのは厳しかったです。競っている状況ならば出そうと考えていました。それでも残り9秒でコートに出て、1本決めてくれたのは彼の成長につながると思います。

――金丸選手もシュートを打ってはいますが、決め切れていません。調子を崩しているのですか。

 身体のキレがなくなっています。「入らない」「どうしよう」と繰り返しているように見えます。スタートメンバーの調子が上がらない時に、ベンチメンバーが活躍するようにならないと厳しいですね。代表は、国内での試合と違ってごまかしがききませんから。

――4番ポジションの竹内選手も、このところシュート確率がよくありません。プレータイムが長いので、疲れが出てきているからですか

 (大腿部を指して)ここに来ています。プレータイムが長く、責任感も強い選手なので、相当に足にきていると思います。

――2次ラウンドを終えた後、「この9-12決定戦では自分たちのバスケットをしっかりやりたい」と言っていました。その点はどうですか。

後半の3クォーターと4クォーターはできました。でも、1クォーターと2クォーターは出来てきません。明日は、その目指すバスケットを40分間、やり続けます。出来る限り長い時間、自分たちのプレーを続けることで、楽な展開になっていくと思いますから。予選ラウンドでホンコン・チャイナと一回対戦して勝っていますが、改めて気を引き締めて臨みます。
 
 
 
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