日本 vs 韓国
激突!アジア選手権ファイナル“日韓戦”勝負のポイント

試合をこなすごとにチーム力も結束も増していく日本

激突!アジア選手権ファイナル“日韓戦”勝負のポイント

 女子アジア選手権ファイナルのカードは日本vs韓国。アジア選手権で日本の決勝進出は2004年仙台大会(アテネ五輪予選)以来5大会ぶり。韓国との決勝は1999年静岡大会(シドニー五輪予選)以来となる。

 今大会は中国が世代交代を迎え、韓国はベテラン勢が主軸ながらもケガ人が続出、日本もアジア選手権初出場が6人の若いチームで臨み、大会の行方は占えず、どこの国もチャンスがある大会となった。それだけに、日本は持ち味である走力とディフェンス面の優位性を出し、真っ向勝負することでチームカラーと自信を築き、飛躍へとつなげていったのだ。
 
 予選ラウンドの日韓戦では延長に持ち込んで日本が勝利したが、決勝ラウンドではまた別の戦いとなるだろう。決勝・日韓戦のポイントとなるものは。

文・写真/小永吉陽子
 
 

日本 JAPAN

渡嘉敷来夢のポテンシャル開花と
ディフェンスの結束で戦う5大会ぶりの決勝

日本はチームディフェンスと走力、リバウンドで頂点を目指す

 内海ヘッドコーチのバスケットはインサイドを起点としたアーリーオフェンス。速い展開ながら、形が決まっているスタイルだ。このスタイルは走れる時は独自の判断に任されるが、形にこだわってしまうばかりに足が止まってしまうときがある。それが、アジア選手権の前哨戦ともいえる東アジア競技大会で課題として出てしまった。「インサイドが強くなったことで、逆にインサイドを使うことにこだわって、インサイドとアウトサイドの連携がうまくいかず」(大神)ミスを多発し、乗り切れないゲームでチャイニーズ・タイペイに敗れている。

 日本の良さを出すにはディフェンスから見直すしかなかった。今大会、崩れない要因に誰もがディフェンスをあげるように、時折、前からプレッシャーをかけて当たるディフェンスや先手を取ったゾーンディフェンスが効いて、韓国と中国を倒した。ディフェンスという崩れない武器のもとに、足の甲のケガから完全復帰した渡嘉敷の高さと運動能力のポテンシャルが開花したのだ。6 名がアジア選手権初参戦という若い日本は、勝ち続けることで自信を得ている。

 決勝で韓国に勝てば、昨年のオリンピック最終予選から3連勝となる。逆に3連敗を阻止したい韓国は、日本に対しては総戦力を出して執念で対抗してくることは、これまで土壇場で幾度も敗れてきた日本がいちばんよく知っている。日本が相手の執念を乗り越えるには、スタミナで上回って相手を消耗させ、リバウンドで優位に立つことだ。
 
 

韓国 KOREA

ケガ人続出の満身創痍の中で、
ベテランの意地と総戦力で上がってきた決勝の舞台

中国に大逆転勝利を収め、歓喜に沸く韓国ベンチ

 12名の名前だけを見れば、10名は起用できる選手層のあるチームだ。しかし、大会前からケガ人が多く、さらに大会に入ってからも初戦の中国戦でブザービーターシュートを決めた#8クァク・ジュヨンがねんざ、食あたりによる胃腸炎で体調を崩す者が出るなど満身創痍で戦っていた韓国。予選ラウンドでは日本に延長に持ち込まれたあとはチャイニーズ・タイペイに敗れるなど、みるみる失速していった。ベテラン勢には試合巧者の駆け引きがあるが、スタミナ切れだけはどうしようもない。若手の台頭が切実になっていたのだ。

予選ラウンドの日本戦、準決勝の中国戦で土壇場で3Pシュートを連発して決めた#10ピョン・ヨナ

 ウィ・ソンウ ヘッドコーチは、ウリ銀行を就任1年目で最下位から優勝へと導いた執念の指揮官だ。ただ負けていたわけではない。178㎝の長身ポイントガード、#12パク・ヘジンと膝のケガから復帰の兆しを見せている#6キム・ダンビの23歳コンビをポイントで起用し、戦力へと仕立て上げた。

 #6キム・ダンビは2年前の大村大会で、日本をドライブインで切り刻んで勝利をもぎとっていたった立役者。万全ならば、いちばん警戒しなければならない相手だ。#12パク・ヘジンは4月のアジアWチャンピオンシップで、JXから勝利をあげることで自信をつけたウリ銀行の新鋭ガード。34歳の司令塔、#5イ・ミソンが持病の膝痛で10分しか出場できなかった準決勝を、#12パク・ヘジンのリード力で乗り切ったのは大きい。

 準決勝の中国戦ではこの2人の台頭によって、主力を休ませながら戦うことに成功。最後はシューター、#10ピョン・ヨナの3Pシュートでトドメを刺して最大9点のビハインドから逆転勝利を飾った。まさしく、チーム力も試合展開も起死回生の逆転勝利だった。まだまだケガ人の状態は万全とはいえないが、決勝に向けて、俄然、ムードは高まっている。

 韓国の強みは攻撃力のあるフォワード陣だ。勝負強いシューターの#10ピョン・ヨナは準決勝の中国戦で22得点。ステップバックして打つ3Pシュートは彼女の専売特許。数打てば当たるタイプではあるが、終盤の勝負強さは恐ろしい。昨シーズンのWKBLでMVPを受賞した安定感抜群の#11イム・ヨンヒ、オールラウンドな#13キム・ジョンウンなど、フォワード陣の外角シュートには要注意である。

 ベテラン勢の意地と若手の台頭。韓国は総戦力を集結してファイナルに挑む。