就任記者会見
オリンピック世界最終予選に挑む3人の新コーチングスタッフ

 Wリーグでしのぎを削る3人の指揮官が世界に挑む

「日本女子バスケットボール界の総力を結集」したコーチングスタッフ。中央が内海ヘッドコーチ、右が丁コーチ、左が小嶋コーチ

昨年12月7日の日本協会理事会で2009年度から女子日本代表の専任ヘッドコーチを務めてきた中川文一氏の退任が承認され、新コーチングスタッフが発表された。今年6月25日からトルコで開催される「FIBAオリンピック世界最終予選」に臨むコーチングスタッフだ。

就任したのは、ヘッドコーチに内海知秀氏(JXサンフラワーズ)、コーチに丁海鎰氏(トヨタ自動車アンテロープス)と小嶋裕二三氏(デンソーアイリス)という顔ぶれ。この新コーチングスタッフの就任記者会見が1月10日、渋谷で行われた。

昨年11月、日本協会強化本部長に就任した鈴木秀太氏が、女子強化部長に就任した高橋雅弘氏(新任)に「最大で最強のメンバー編成を」と要請し、Wリーグでしのぎを削る3名の指揮官が選出された。

記者会見で鈴木強化本部長は「何が何でもロンドンオリンピックへの切符を獲得するという意気込みでいる。今回のコーチ陣はWリーグではライバルのヘッドコーチ同士だが、日本のために一つになることが信条だ。内海ヘッドコーチを中心に丁(チョン)コーチ、小嶋コーチがそれぞれの役割や持ち味をいかんなく発揮して1つのチームとして戦ってもらいたい。協会幹部の我々も役割を果たしたしていきたい」と挨拶した。

高橋女子強化部長も「日本女子バスケットボール界でトップリーグの1位、2位、3位の監督がスクラムを組むことは今までなかった」と語り、「オリンピック出場に向けてこの3名が最大限の特徴を生かしてタッグを組んでやってくれると思う」と期待を語った。

内海氏の代表監督への復帰は2008年以来。なお、選手選考はWリーグ終了後の予定で、本格的な始動は4月から(予定)となる。新コーチングスタッフの抱負を紹介する。

■内海ヘッドコーチ

「このたびヘッドコーチの大役を仰せつかり、前回同様、非常に大きな責任を感じている。特にロンドンオリンピック予選に向けて時間がない中、何が一番必要なのかを早く始動しながら最強のチームを作って世界最終予選に臨みたい。出場権のカギとなるのは高さ。高さ対策はリバウンドだけでなく、オフェンスでのスピードや確実性が重要になってくると思う。ターンオーバーの少ない、確率の高いオフェンスをし、ディフェンスでは高さに対抗する平面の部分に戦術をプラスしながら戦っていきたい。丁コーチ、小嶋コーチは私のよき相談相手となってくれると思う。2人のコーチとコミュニケーションをしっかり取りながら、これから選ぶ選手たちがどうしたら一番力を出せるのか、日本のバスケットをどうもっていったらいいのか、話し合いながら戦術を作っていきたい。ロンドンオリンピックの切符を獲るために過程を大事にしながら、何よりも結果を大事にしたいと思う。日本のバスケット界のために頑張っていきたい」

 ■丁海鎰コーチ

「韓国人として日の丸を背負うのは私が初めてです。ロンドンオリンピックに行くために、内海ヘッドコーチと小嶋コーチとともに自分ができることを精一杯やるだけ。これからスタッフミーティングで役割分担を決めるだろうが、ロンドンへの一番の壁はディフェンスだと考えている。ヘッドコーチからの要請があれば、ディフェンス面で力を尽くしたい」

■小嶋裕二三コーチ

「大役を仰せつかり、重責を感じている。力不足で何ができるかわからないが、2人を支えてチームの潤滑油のような役割になれればと思う。Wリーグのトップにいる2人とチーム作りができ、その使命がものすごく大きいことに今から興奮している。お互いに納得できるまで議論を重ねて、選手が一番いいプレイができるようサポートしていきたい。ロンドンオリンピックの出場権を獲得することが使命なので、それが果たせるよう精一杯やりたい」

コーチングスタッフ略歴

ヘッドコーチ:内海知秀(うつみ・ともひで)氏
1958年生まれ、青森県出身。53歳。
【競技歴】 
 能代工高(1974-1977):2年、3年次と2年連続で高校3冠達成
 日体大 (1977-1981):2年次(1978年)にインカレ優勝
 日本鉱業(1981-1988):1984年 第59回全日本総合選手権大会 準優勝
                :1988年 年間ベスト5受賞
 日本代表(1981-1987):1983年 第12回アジア選手権大会 準優勝
【コーチ歴】
 1988-2000:札幌大学(男子)
 2001-現在:JXサンフラワーズ(旧ジャパンエナジー、JOMO)
         全日本総合選手権大会 優勝6回(2001、2002、2003、2008、2009、2010、2011年度)
         Wリーグ優勝7回(2001、2002、2003、2006、2008、2009、2010年度)
         コーチオブザイヤー受賞4回(2001、2002、2007、2010年度)
 2003-2004:日本代表:2003年 第20回FIBAアジア選手権 準優勝
         :2004年アテネオリンピック第10位
 2006-2008:日本代表:2007年 第20回FIBAアジア選手権 3位
         :2008年オリンピック世界最終予選 準決勝敗退

コーチ:丁海鎰(ちょん・へいる)氏
1958年生まれ、韓国出身。53歳。競技歴は松都高校―高麗大学―現代自動車―軍隊。
【コーチ歴】
 1997-1999:日本通運:日本リーグ2部優勝
 1999-2001:国民銀行(韓国)WKBLベスト4(2000年)
 2001― 現在:トヨタ自動車アンテロープス
         全日本総合選手権 準優勝1回(2009年度)
         ベスト4 8回(2002、2003、2004、2006、2007、2008、2010、2011年度)
         Wリーグ 準優勝2回(2009、2010年度)、
         同3位2回(2007、2008年度)
         コーチオブザイヤー受賞2回(2008、2009年度)

コーチ:小嶋裕二三(こじまひろふみ)氏
1967年生まれ、神奈川県出身。44歳。
【競技歴】
 1983-1985:県立松陽高校
 1986-1989:青山学院大学:2年次(1987年)インカレベスト4
【コーチ歴】
 1991-1997:NEC(コーチ)
 1998-2000:日本代表アシスタントコーチ
 1999-2000:鷺宮製作所(コーチ)
 2000-2008:山形銀行ヘッドコーチ
 2008-2009:デンソーアシスタントコーチ
 2010-現在:デンソーヘッドコーチ:全日本総合選手権準優勝1回(2011年度)
         ベスト4(2010年度)
         WJBL第3位(2010年度)