第2戦:チェコ戦
第3Qまでリードするも、最後はチェコの高さの前に逆転負け

3ポイントが当たった日本、第3Qまでリードするも、最後はチェコの高さの前に逆転負け

■女子世界選手権:9月28日(日)第2戦

 ●日本 57(16-18、22-15、13-20、6-18 チェコ

勝負どころの第4クォーターで失速し、惜しい一戦を落としてしまう

エース#10渡嘉敷は10得点。果敢にドライブをねらったが、チェコにうまく守られてしまった。次のブラジル戦に期待したい(fiba.com)

第3クォーターの残り4分25秒、日本が47-40とリードした場面。「このままチェコをリードしていけたら」と誰もが思ったに違いない。だが、そこから日本はチェコの反撃を食らうことになる。センターの#13クリコヴァ(198㎝)のゴール下に始まり、ガード#9バルトノヴァ(173㎝)の速攻で残り1分24秒には48-48の同点に。タイムアウト明けに#8宮元の3ポイントが決まって、何とかこのリードを保ちたかった。だが、その思いを砕いたのは、#11エレホトヴァ(181㎝)の勝負強さだった。落ち着いてバンクショットを決め、さらにビザービターの3ポイントを沈めて53-51。日本がリードを保っていたゲームを、ここで逆転されてしまった。

勝負の第4クォーターは、チェコに連続得点を許してしまう。開始直後に#11エレホトヴァの3ポイントが決まり、#9バルトノヴァの強気のプレーが連続する。さらに徹底してセンターにボールを集めてローロストで勝負。タイムアウトで立て直しを図った日本だったが、ディフェンスが機能せずに、簡単に相手に得点を許してしまった。残り5分に渡嘉敷をコートに戻したが、チェコの厳しいディフェンスの前に足が動かず、追いかけることができなかった。第3クォーターの終盤までリードを奪っていただけに、第4クォーターの失速が悔やまれる。惜しい一戦を落としてしまった。

宮元が16得点。3ポイントが当たり、リズムに乗った日本

第1戦とうって変わり、日本は前半、高い集中力を見せて落ち着いたチームプレーで波に乗った。大神も「出だしからみんなが積極的に攻めることができた。気持が全面に出ていたから、相手をファウルトラブルに追い込めた」と話す。前日は日本が14時からの試合で、チェコは21時過ぎからと遅かった。その影響もあって、チェコはシュートがイマイチ決まらず、リズムに乗れていなかった。

日本は#8宮元美智子の3ポイントが当たり、#5髙田真希がドライブで、また#6間宮がローポストでファウルを誘ってフリースローでつなぎ、髙田-渡嘉敷のハイローも決まってチェコと互角に戦えていた。前半、チェコに2回のタイムアウトをとらせた展開は、本当にいい流れだった。

第1戦で当たらなかった3ポイントが当たった。#8宮元美智子が5本の3ポイントを沈めて16得点。栗原もノーマークで1本沈めてチームを波に乗せた。宮元は「この一戦に懸けるみんなの気持は強かった。初戦で自分のタイミングで全く打てず、悔しかったので、今日は自分のプレーを思い切りやろうと思った」と話す。宮元も栗原も、前半はいい流れを作ったが、第4クォーターで追いかける場面では決め切れず。またも終盤に課題を残す敗戦になってしまった。

本来のリズムを取り戻した宮元が16得点と活躍(fiba.com)

ガード久手堅が見せた見事なゲームコントロール

第2クォーターでいい働きを見せたのが、ガードの#9久手堅笑美だった。ドライブからのレイアップ、24秒ギリギリで放ったミドルショットがインとなり、さらにパスを回して#8宮元の3ポイントを演出する。見事な1本となったのが、#10渡嘉敷来夢へのフローターパスだった。久手堅がドライブで切っていった場面に渡嘉敷が走り込み、そのパスを直接、リングに沈めたワンショットだ。久手堅は「練習でもやったことがなく、あうんの呼吸でタク(渡嘉敷)が決めてくれた」と話す。久手堅のドライブからのパスも、そこに走り込んだ渡嘉敷のシュートも見事なワンプレーだった。

「今日は自分のプレーを出そうと思っていました。ドライブで切っていったことであのプレーが生まれた。今まで形にこだわって迷っていた部分があるが、今日は本当に迷わずに行けた」と語る久手堅。これまで内海ヘッドコーチに要求されながらできなかったプレーが、この一戦で非常に落ち着いた形でできたことで、どこか吹っ切れた様子だった。第2クォーターは久手堅の見事なゲームコントロールが光った時間帯になった。

冷静なパスワークに加えて、レイアップやミドルと得点でも自身のプレーを見せた久手堅(fiba.com)

勝負どころで踏ん張りがきかなかった日本。次のブラジル戦でどう戦うか

このチェコ戦は、宮元と栗原らで合計6本の3ポイントが当たった。前半、日本が38-33とリードを奪い、ペースをつかんだのはこの外角が当たったからだった。リバウンドも前半は17本で互角。#10渡嘉敷は6得点だったが、大事なところで決めていた。だが後半の勝負どころで渡嘉敷が何本かドライブにいったが、ダブルチームで厳しく守られてしまった。そのドライブでファウルがもらえず、得点を重ねることができなかった。「自分のオフェンスリズムが最後までつかめず、乗り切れなかった」と話す渡嘉敷。内海ヘッドコーチは「最後はバテて動けていなかった」とエースを気遣った。

#9久手堅は「チェコは、最後は自分たちの強みである高さで押してきた。そこを止めることができなかった」と語った。第4クォーターで#11エレホトヴァの思い切りのいい3ポイントも、198㎝の#13クリコヴァのローポストも連続してやられてしまった。この勝負どころで日本はリバウンドが取れず、ディフェンスでも翻弄されてすべてが後手に回ってしまった。リバウンド、そしてパスミス。大事なところでたたみかけることができなかった日本。#6間宮佑圭は「高さでくるのは分かっていたが、止めきれなかった。4クォーターで相手が連続してシュートを決めてきたところで焦りが出てしまった」と悔しがった。

チーム全体で失速してしまった第4クォーター。第3クォーター終盤までいい戦いをしていただけに本当に悔やまれる。内海ヘッドコーチは「最後は足が止まってしまい、ボールも回らなかった。完全にスタミナ切れだった」と敗因を上げた。日本が、最後までしっかりと戦うには、前半でベンチメンバーを積極起用して、勝負どころで自分たちの強みを出せるような、チーム全体の体力を考えるべきではなかったか。

第3戦のブラジル戦は、絶対に落とせない一戦になる。ここを勝てば「準々決勝予選」のベスト8決めに駒を進めることができる。ここまでの2戦で出てきた課題を、この短期間でどれだけ修正していけるか。内海ジャパンの真価が問われる試合になる。

◆女子世界選手権<1>展望「鍵となるのはリバウンドとアーリーオフェンス」
◆女子世界選手権<2>キーマン3人の「決意」 渡嘉敷来夢/髙田真希/栗原三佳

◆大会特設サイト(日本バスケットボール協会)
◆大会公式サイト(FIBA )