キャプテンインタビューから(一部抜粋)
吉田亜沙美 「小さくでも勝てる」ことを証明したい!

リオ五輪で3勝をあげて決勝ラウンドへ駒を進めた女子代表。その中心に司令塔の吉田がいる(7月のセネガル戦から)

「小さくでも勝てる」ことを証明したい!

リオ五輪で日本は、予選ラウンドを3勝2敗、グループAの4位で通過した。
決勝ラウンドの準々決勝は、8月16日(日本時間17日6:45)からグループB 1位のアメリカとの対戦だ。
ここでは現在発売中の『Cager mook 2016年夏号「世界へ」』から、
キャプテン吉田亜沙美のインタビューを一部紹介する。

リオへ出発前に語っていた「小さくても勝てることを証明したい」という決意を、
女子代表は紛れもなくリオで実現してみせた。

6連覇をねらう女王アメリカとの対戦も、思い切り日本のバスケットを見せてほしい。

構成・文/舟山緑
写真/一柳英男

オリンピックの素晴らしさを思い切り体感したい

――吉田選手がオリンピックを強く意識するようになったのはいつ頃ですか。

吉田 高校3年で日本代表に選んでいただいた頃からです。周りの先輩方は全員が「オリンピック出場」をめざしていて、当時の私は先輩方の背中を見てひたすらついていった感じでした。先輩方のその強い気持ちから、私もオリンピッックを意識するようになりました。
さらに2004年のアテネ大会を経験している内海さんもコーチの梅嵜さんが「オリンピックはすごいところ。絶対にあの舞台を立ってほしい」と言ってくれて。特に「オリンピックは人生が変わる大会」という梅嵜さんの言葉が印象に残っていて、ぜひ経験したみたいとずっと思ってきました。初めて意識してから10年かかってやっと手にした「切符」なのです。

――「人生が変わる大会」というのは、それだけすごい体験ができるという意味ですね。

吉田 たぶん、そうですね。私たちは好きなバスケットをしてそれだけでも幸せなことなのに、オリンピックで人生観が変わったり、考え方が変わったりするなんて、日本代表の12名しか経験できないことです。だからこそ、全力で相手にぶつかっていきたいですね。

強豪ぞろいの予選ラウンド。全力でぶつかるだけ

――予選ラウンドは、ベラルーシ、ブラジル、トルコ、オーストラリア、フランスとの対戦。オリンピックの組み合わせがまだ決定していない5月のヨーロッパ遠征では、本番で当たるベラルーシには1点差の惜敗。その相手が初戦になります。この試合の入り方が大きなカギになりますね。

吉田 そうですね。5月にヨーロッパで対戦したチームが、全て日本と同じグループAに入るなんて。やりやすいのか、やりにくいのか……(苦笑)。しかし、一度対戦しているので、相手の特徴は分かっています。それぞれの選手が、自分がマッチアップした選手を肌で直接感じ、どんなシュートが得意なのか、ドライブはどちらが好きか、どんなパスが多いかなど、プレーのクセを事前に知ることができたのはよかったと思っています。

しかし、オリンピック本番になれば、どの国もスイッチの入り方が全然違うと思っています。まずはディフェンスでしっかりアジャストし、選手個々が自分のマークマンをどうつぶせるかがポイントになってくると思います。

オーストラリアは5月の来日のときはWNBAやヨーロッパのリーグ戦で戦うメンバーが欠けていましたが、強化試合で3戦戦っているし、フランスともヨーロッパ遠征で手合わせをしたので、ある程度は分かっています。そうした情報を大事にしながら、本番では自分たちの流れにどうもっていくかがポイントになると思います。

――強豪国ぞろいの予選ラウンド。気持ちでひるんでしまうと、自分たちの良さも出せなくなってしまいます。キャプテンとして、また司令塔として、どうチームを引っ張っていきますか。

吉田 自分たちは挑戦者なので、勝つとか負けるとかで揺れ動かず、相手に立ち向かっていくことがまず大事だと思っています。そこで、気持ちがブレブレになったり、弱かったりしたら自分たちのバスケットができなくなってしまう。ダメ元でぶつかっていくしかありません。特に世界ランク2位のオーストラリアには。相手がどうのこうのではなく、日本のバスケをどれだけできるかです。

大会が終わって「あのとき、こうしておけばよかった……」と後悔しても遅いのです。コートに出たら、自分の力を出し惜しみするのではなく、強い気持ちで挑んでいくことがすごく大事になると思います。

私自身、オリンピックの舞台は、いろいろなことがチャレンジする舞台だと思っています。だから、全力でぶつかっていきたい。疲れたら代わりにコートに出て戦ってくれるメンバーはいるのだから、出し惜しみせずに向かっていきたい。みんなにも、そうあってほしいと思っています。
 
 
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