予選リーグ/日本 vs マカオ
18歳の向上心を無駄にするな!

渡邊雄太(今秋からアメリカ・コネチカットのプレップスクールに入学予定)

18歳の向上心を無駄にするな!

文・写真/三上 太

 韓国・仁川で行われている「第3回東アジアバスケットボール選手権大会」2日目、日本はマカオに【101-53】で快勝し、通算成績を1勝1敗とした。この試合でダブルダブルの成績(22得点・14リバウンド)を叩きだし、チームの勝利に貢献したのは18歳の渡邊雄太。今春、香川・尽誠学園高を卒業したばかりのチーム最年少の選手である。その渡邊がサイズ、スキルその他すべてにおいて格下のマカオが相手とはいえ、最後まで力を抜くことなく全力でプレーをした。

「(どんな相手でも)常に向上心を持って、これからの自分の成長につなげられればと思っています。ただ相手が強くなればなるほど出場時間が少なくなると思うので、今日のように出場時間がもらえるチャンスのときにしっかりと自分のプレイを出して、明日の試合以降にヘッドコーチから『前の試合がよかったから、出してみよう』と思ってもらえるように、今日も全力を出そうと思ってプレーしました」

 201㎝の渡邊は今秋からアメリカ・コネチカットのプレップスクールに入学し、アメリカでのバスケット生活を始める。渡米の前に日本代表としてできる限り成長し、なおかつ母国の勝利に1つでも貢献したい。そういう思いの一方で、大会前には昨年モンゴルで行われた「FIBAアジアU-18男子バスケットボール選手権大会」で敗れた中国と韓国に「あのときの悔しさを晴らしたい」とも言っていた。

 今大会の中国、韓国にはそのとき対戦したワン・ジェリン(中国、214㎝)とイ・ジョンヒョン(韓国、206㎝)がいて、ともにチームの主力として活躍している。地元・韓国のメディアは、すでにこの2人の若きビッグマンを“新世代のライバル”として扱っているほどの逸材だ。

「ボクもそこに入っていけるようにして、日本も負けていないぞとアジアや世界にも感じさせないといけないとダメだと思います。そのためにも、もっともっと成長しなければ彼らには追いつけません」

 渡邊の向上心は彼の成長のみならず、日本代表にとっても大きなプラス材料となる。しかしながら渡邊一人の向上心だけで勝てる相手では、当然ありえない。チームとして戦い、そのなかで自分のプレーを発揮できてこそ、その向上心は本当の意味での「成長」へとつながっていく。渡邊は言葉を選びながら言う。

「昨日は韓国のほうが気持ちを前面に出していて、日本は受け身がちだったとボク自身は感じました。日本ももっと気持ちを前面に出して、もっと覇気のあるプレーをしていけば、あんな負け方はしなかったのではないかと思います」

 チームの完敗を目の当たりにし、いろんな思いが彼の中を駆け巡ったのだろう。そのなかで相手から感じ、学ぶこともあった。そういった対戦相手から得る経験もまた、NBA入りを夢に持つ一方で、まだボンヤリとではあるが「自分が日本代表の中心選手になってオリンピックの出場権を得たい」という思いを実現させる力になっていく。

「これから日本が勝っていくためにはチーム全体が強い気持ちを持ってプレーしなければ勝てないと思います。今はまだやりにくいところもありますが、これから年齢を重ねていって、自分の技術がついてきたら、キャプテン的な役割もしていければと思っています」

 数年後の渡邊のキャプテンシーに期待を寄せつつ、今の日本代表にはもう一度、チームとして気持ちを前面に出すプレーを求めたい。勝ったとはいえ今日のマカオ戦はあまりに静かすぎた。喜びもしなければ、怒りもしない。アピールすらしない。ただ淡々とゲームをこなしているだけ。未来の日本代表たちに伝えるべきは、くどいようだが、チームとして戦う姿勢である。渡邊をはじめとする若手に「2013年の東アジア選手権のチームは熱かった。あれこそが日本の戦い方だ!」と思わせる試合を見せてもらいたい。

 日本代表は18日、ベスト4の座をかけて同じく予選A組で1勝1敗のチャイニーズ・タイペイと対戦する。