準決勝/日本 vs 中国
悔恨の第2ピリオドを忘れるな!

#10竹内公輔(トヨタ自動車)

悔恨の第2ピリオドを忘れるな!

文・写真/三上 太
  
 勝てない相手ではなかった。だが負けた。その思いが悔しさを増幅させるのだろう。予選の韓国戦後とは異なり、レコーダーを向けても止まることなく、竹内公輔は足早にバスの乗降口へと進んでいった。

 東アジア選手権の準決勝、日本は中国に【68-83】で敗れた。これによって3大会連続の決勝進出は断たれ、明日、香港と3位決定戦をおこなうこととなる。

 この日の日本はけっして悪くはなかった。第1ピリオドの序盤で中国に離されかけたが、桜井良太の速攻、金丸晃輔の3ポイントなどで追い上げ、最後は竹内の連続得点――ジャンプシュートと速攻で同点に追いついている。粘り強く戦えばチャンスは必ず訪れる。そう思い描いた第2ピリオド、鈴木貴美一ヘッドコーチ曰く「オフェンスを頑張りすぎた」日本は、ディフェンスの戻りが遅れ、構えきれなかったところを中国に突かれた。ここで完全に流れが中国に傾いてしまった。

 バスの乗降口でようやく足を止めた竹内が言う。

「アジアの位置づけでは中国がトップで、日本はまだ中国のレベルに達していません。今回の中国も若いとはいえ、(#4グオ・アイルンのように)A代表を経験している選手もいるので、どちらかといえば挑戦という気持ちで臨みました。実際にやってみると、日本にも若いA代表クラスの選手がいて、それほどの実力差は感じませんでした。ただ第2ピリオドで離されたときにベテランの自分たちがチームを落ち着かせる仕事をするべきだったと思います。ハーフタイムの時間を使って少し落ち着かせることができたけど、もう少し早く(若手に)声をかけてあげられたら…」

 試合を通じて、特にリバウンド面でチームに貢献した竹内だったが、それでも頭をよぎるのは勝てない相手でない相手に負けた悔しさと、流れの悪いときにベテランとしての仕事を全うできなかった不甲斐なさだけだ。

「後半、(桜井)良太がファウルトラブルでコートにいなくなり、自分がチームを引っ張らなければいけない場面で、自分がシュートを打つよりもスクリーンを使って金丸(晃輔)に打たせようと思ったんです。それはうまくいったと思うのですが、それをもっと早く、第2ピリオドくらいで気がつけばよかった。前半は誰も攻めようとしていなかったので、高さのある中国を相手に自分がペリメーターのシュートを打とうとしました。そのシュートを決められなかったのが今日の敗因だと思っています」

 その言葉どおり、前半の竹内はリバウンドや速攻で存在感を示しながら、その一方で「相手の高さにシュートタッチを狂わされた」ミドルシュートは大事なところでリングを通過しなかった。悪い流れのなかでチームを鼓舞することもできなかった。大学時代に代表入りを果たし、代表歴でいえばベテランの域になる竹内にあってはならない、いわばミスだと言える。

 それでもそういったミスの数々が、チームのインサイドの要であり、アジア諸国から注目されている竹内をして日本代表でこれまで以上に責任感を持たせ、かつリーダーとして脱皮させるのであれば、この敗戦は大きな収穫となる。若手の経験以上に、今日の竹内の悔恨は8月のアジア選手権に向けて大きなプラスになるはずだ。

「明日3位決定戦はありますけど、8月には今回よりももっと強い相手と戦うことになります。6月からの代表合宿は厳しい練習になると思います。自分自身も体を作りなおして、本当に厳しい練習になるはずなので、若手を引っ張っていって、その練習を乗り越えて、8月のアジア選手権では昨年のFIBAアジアカップのときのような結果(=準優勝)を残したいです」

 負けから学ぶことは多い。だが本当に大切なのは学んだことを次に生かして、実践することである。竹内が今回学んだことが8月にどう生かされるのか。東アジア選手権準決勝・中国戦の第2ピリオドを忘れてはいけない。