3位決定戦/日本 vs ホンコン・チャイナ
マニラに向かって打て!

金丸晃輔(アイシン)

マニラに向かって打て!

文・写真/三上 太

 収穫を挙げるとすれば、少しずつ感覚が戻ってきたというところだろうか。東アジア選手権3位決定戦、金丸晃輔はチームトップの28得点を挙げ、曰く「最低限の結果」である銅メダルを日本にもたらした。

 今大会の金丸は、けっして調子がよくなかった。それもそのはずで、JBLの後半戦が始まってすぐに左の手首を負傷し、リーグの終盤はほとんどゲームにも出られなかった。幸いなことに利き手の右手ではなかったが、それでもケガの間はほとんどボールに触れられず、5月に入って招集された今大会の日本代表合宿でも「まったくダメ」だったと言う。

 それでもチームが金丸の得点力に期待しないわけにはいかない。東アジア選手権では初戦の韓国戦こそフィールドゴール1本の4得点しか挙げられなかったが、そこから徐々にスコアラーとしての感覚を取り戻していく。マカオ戦15得点、チャイニーズ・タイペイ戦15得点、中国戦18得点、そして3位決定戦となる香港戦で28得点。

「昨年もこんな感じで(8月の)ジョーンズカップくらいまでダメダメで、そこから(9月の)FIBAアジアカップに向けて、どんどん調子を上げていきました。だから今年もそんな感じなのかなって薄々感じていました。そういう意味では徐々に調子は上がっているし、今大会の得点に関しても試合ごとに上がってきているので、いい方向には向かっていると思います」

 いい方向に向かっている――金丸の目はすでに8月、フィリピン・マニラでおこなわれる「第27回FIBAアジア男子バスケットボール選手権大会(アジア選手権)」に向いている。

「今大会は8月のアジア選手権に向けた通過点で、もちろんしっかりやっていきたいという気持ちはありましたけど、それよりもアジア選手権でしっかりプレーがしたい、自分のピークをそこに持っていきたいという気持ちのほうが強かったですね」

 8月のアジア選手権にはおそらく桜木ジェイアールがチームに合流し、桜木のインサイドを起点としたプレーが増えてくるだろう。そうなればアウトサイドのシュート力が勝敗を分けることも十分に考えられる。

 逆に言えば対戦国は日本のシューター陣より一層厳しくマークすることになるだろう。今大会でも金丸や松井啓十郎へのマークはいつも以上に厳しく、ポイントガードの桜井良太もドライブからのキックアウトパスがシューター陣には出せなかったと言っている。それについて金丸はこう言っている。

「アジア選手権では今大会のプレッシャーよりももっと強いプレッシャーがくると思うので、そのプレッシャーのなかでいかに高確率にシュートを決められるかがポイントだと思います。今大会は徐々に得点が伸びていきましたけど、確率そのものはすごく悪かった。アジア選手権では確率よく得点を取るために頑張ります」

 そしてこう続ける。

「もう『数打ちゃ当たる』ではダメですから」

 少ないチャンスのなかでいかに確率よくアウトサイドからのシュートを沈めていくか。目標である「3位以内に入って、2014年の世界選手権出場」を達成するためには、スコアラー・金丸晃輔のピーキングが非常に重要な意味を持ってくる。