決勝/韓国 vs 中国 ゲームレポート
韓国3連覇――若きビッグマンコンビが誕生した決勝戦

優勝の瞬間、#15キム・ジョンギュと#14イ・ジョンヒョンの“ビッグマンコンビ”が喜びを爆発させた

文・写真/小永吉陽子

若きビッグマンコンビの成長とスピードの融合で3連覇を飾った韓国

新世代のライバル「イ・ジョンヒョン vs ワン・ジェリン」にならなかった決勝戦

イ・ジョンヒョン(206㎝、高麗大1年、19歳、U19世界選手権代表)

 韓国vs中国の決勝は、今後10年にわたってアジアを背負う若者たちの対決となった。

 中でも注目を集めたのは、昨年8月、U18アジア選手権の決勝を戦った“新世代のライバル”決戦。主役は、206㎝韓国の#14イ・ジョンヒョンと、214㎝中国の#14ワン・ジェリンだ。

 #14イ・ジョンヒョンは高麗大1年生の19歳。ワン・ジェリンより8㎝も低いが、206㎝の身長に対して220㎝のリーチを生かしたリバウンドやポストプレーが武器。外角とのつなぎや速攻にも加勢し、状況に応じて自分がすべきことを選択できるクレバーさを持つ。昨年のオリンピック世界最終予選では代表初選出ながらも、即戦力としてチームに馴染んでいた点でも、戦術理解力に長けている印象を持つ。

 #14ワン・ジェリンはCBA福建スタージョーンズに所属する19歳。ルーキーシーズンの昨シーズンは平均20.2点、12.9リバウンドの数字を残してフルに働いた。昨年はNIKE HOOPサミットに出場して注目を浴び、ロンドンオリンピック候補メンバーにも名を連ねていたが、最終選考で脱落。今年こそはA代表入りが囁かれている。得意のドライブインは日本にダブルチームをされると止められるシーンもあったが、今後の筋力の発達を考えれば、さらなる伸びを感じさせるポテンシャルを持つ。

 ここ数年、アジアのアンダー世代(U16~U19)は中国がダントツの力を誇っていたが、昨年、モンゴルで開催されたU18アジア選手権では、2メートル台6人を擁する韓国も負けてはいなかった。中国と韓国は2次リーグで延長にもつれ、決勝でも大接戦となったが、どちらも僅差で中国が制した。試合終盤は韓国が支配をしていたにもかかわらず、連続得点でチームを勝利に導いたワン・ジェリンの勝負強さが際立ったのだ。

ワン・ジェリン(214㎝、19歳、CBA福建スタージョーンズ、U19世界選手権代表)

 中国に二度も接戦で敗れ、金メダルを逃したことは韓国にとっては屈辱だった。両国の大黒柱が再び相まみえるとあって、決勝前の韓国メディアの報道は「イ・ジョンヒョン vs ワン・ジェリン」の見出しが躍っていた。

 しかし、そんな先行した報道とは一線を引き、冷静だったのは韓国のチェ・ブヨンHCだ。中国はポイントガードの#4グオ・アイルン(192㎝、19歳)から始まるチームであることを重要視し、準決勝・日本戦から台頭してきた219㎝の#15リー・ムーハウ(20歳)への警戒も忘れなかった。

 また韓国にしても、#14イ・ジョンヒョンをメインとするチームではないことは、試合ごとに噛み合っていくチーム力を見ればわかることだった。

 8人の若き大学生たちを支えていたのは4人の軍人、尚武(サンム)に所属するKBLの選手たちであり、特に司令塔#7パク・チャニ(190㎝、26歳)のスピードあふれる展開はどこの国も止められなかった。そして決勝でキーマンとなったのは、全試合にスタメンを務めたもう一人のセンター、#15キム・ジョンギュ(207㎝、慶熙大4年)だったのだ。
 
 

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