20枚の写真でファイナルの激闘を追う
決勝――明成 vs 福岡大附大濠 フォトレポート

技術、気力ともにハイレベルの頂上決戦
個人技をチーム力に結束させた明成が日本一

構成・写真/小永吉陽子  写真/一柳英男
 
 

明成のキャプテン#6植村哲也は溢れる涙を拭いながらガッツポーズ。ようやくつかんだ優勝だったことを象徴するシーン

明成の試合開始前。ハドルを組んで心ひとつに戦う。合言葉は「1・2・3 明成!」

コートでハドルを組む大濠。チームの中心にはいつでも信頼の厚いキャプテン#4青木保憲がいた

出足から明成は1年生#14八村塁(197㎝)にボールを集めてペースを握る。八村は1Qで16得点をマーク。その内容を見ると、#4金子大希、#6植村哲也、#10白戸大聖、#11宮本滉希と、すべての選手から絶妙なタイミングでパスを受けている。身体能力の高さで注目を集めた八村だが、ポジション取りやステップの技術をきちんと教わっていることと、アウトサイドの選手たちの状況判断力があるからこそ、コンビネーションプレーが成り立つ

大濠#14杉浦佑成と明成#11宮本滉希のマッチアップは3年生の意地のぶつかり合いだった。杉浦がアウトサイドで加点すれば、宮本はドライブやリバウンドで応戦。大濠は序盤に八村にやられたことから、八村へのマークを1年生#17増田啓介から杉浦に変えている

明成は2Q残り4分を切って、6点リードの場面でディフェンスをゾーンに切り替える。大濠は明成の守備範囲の広いゾーンに対して攻めあぐんでしまう

相手にタフショットを打たせ、リバウンドやこぼれ球を支配した明成。#6植村と#4金子の2ガードはボールへの反応やパスワークが冴えていたばかりか、要所で効果的なシュートも決めた。「お互いのやりたいことはわかっている」と声を揃える

球際を支配した明成は得意のトランジションゲームを展開。インサイド、3ポイント、速攻とやりたいオフェンスを次々に繰り出し、2Qの終盤に48-33と一気に15点差をつける。大濠はエース#14杉浦が何とか踏ん張って11点差まで詰めて前半を折り返す

後半に入るとプレッシャーをかけてディフェンスを強めた大濠は#14八村を止めにかかる。さらには、#14杉浦と#13津山尚大の得点で3Q残り4:18には53-54と1点差まで猛追。大濠のガッツあふれる攻防に会場は興奮のるつぼと化した

大濠の猛攻に対して、我慢の時間帯を迎えた明成。だが、決して慌てることなく、#10白戸や#11宮本のドライブ、#4金子と#6植村の外角シュートでやり返す。4Q 7:51秒、大濠#13津山が3ポイントを決めて7点差としたところで、明成はこの試合で唯一となる早めのタイムアウトを請求。再び追い上げ態勢に入ろうとした大濠の流れを断ち切る好采配となった

4Q残り6分、明成は「突撃態勢」のサインが出る。これまでのトランジションゲームをさらにスピードアップする作戦。すぐさま#4金子から#14八村が走って得点。この後、大濠はエース#14杉浦にボールが回らず、#4青木と#13津山が単発に決めるのみ

明成の勝利を引き寄せたビッグプレーを決めたのは3年生。一つ目は残り5:43秒、#11宮本が豪快なオフェンスリバウンドからのバスカンを決めて10点差。#11宮本は雄叫びを上げ、#14八村も吠えた

勝負を決めた2つ目のビッグプレーは残り2:49に飛び出した。リバウンド支配から#4金子と#6植村がオールコートをパスでつなぎ、待ち受けていた#10白戸が3ポイントをピシャリと決めて86-73。13点差とするトドメを刺す一撃にベンチも総立ち。大濠はタイムアウトを請求するしかなかった

明成の影の立役者は応援席の最前列に陣取ったOBたちだった。とくに4年前に初優勝したときのキャプテン畠山俊樹(写真左、青山学院大4年)は檄を飛ばすだけでなく、状況にあわせて大声で的確な指示を出していた。「先輩たちの声はよく聞こえました。苦しい場面で声をかけてくれたとき、先輩たちもこんな気持ちで乗り越えてきたのかと思うと力になった」(白戸)と、戦う選手たちの心に響いていた

最後は3年生5人がコートに立ち、92-78でタイムアップ。4年ぶり2度目の優勝に歓喜の輪ができた

入学当初から期待されていた代が決勝で戦った明成と大濠。U-16代表でともに戦った大濠#14杉浦、明成#11宮本と#4金子らが健闘をたたえ合う

歓喜を分かち合っていた明成メンバー。3年生#4金子と1年生#14八村、明成ホットラインの2人も熱い抱擁。その後ろではキャプテン#4植村の涙が止まらない

大濠のキャプテン#4青木と28得点を叩き出した#13津山。悔しさがこみ上げてくる中で労いの握手をかわす

「今年はそれぞれの選手が貢献することを意識したチーム作りを心掛けたが、明成はノーマークを作る動きが徹底していて崩せなかった。もっと勉強して次は絶対にリベンジします」と大濠・片峯聡太コーチは雪辱を誓った

OBを交えての集合写真。明成の司令塔番号「6」をつけた畠山は#6植村を、エース番号「10」をつけた安藤誓哉(明治大3年)は#10白戸の肩を抱いて写真に納まる。ゲン担ぎなのか、大会中の佐藤久夫コーチの服装は初優勝を遂げた4年前と同じだったことを、OBたちは気づいていただろうか――