レギュラーシーズン最終戦
山梨クィーンビーズ、来季は関東実業団で活動予定

試合後、山梨クィーンビーズのこれまでの功績を称え、富士吉田市バスケットボール協会によってセレモニーが行われた

富士吉田市での最終戦。地元の大勢のファンに囲まれて気迫のプレーを披露

 今シーズン限りでWリーグからの撤退を表明していた山梨クィーンビーズが、3月23日、鐘山スポーツセンター総合体育館(山梨・富士吉田市)で今シーズン最後の試合・三菱電機戦を戦った。

 試合は立ち上がりから山梨が気迫あるプレーでゲームをリードした。#8金原沙織が果敢にゴールを攻め、#4岡田美香も三菱の甘いディフェンスを突いてゴール下で加点。一方、ディフェンスでも脚を使ったプレッシャー・ディフェンスで三菱のインサイドを抑え、外角も厳しいマークでリズムに乗せなかった。

 山梨は第3ピリオドを終えて52-47とリードを奪っていたが、第4ピリオドに入ると三菱がゾーンプレスで山梨のミスを誘って逆転。山梨は最後まで気迫のこもったプレーを見せたが、有終の美を飾ることはできなかった。ゲームは78-65で三菱が勝利した。

 #8金原はチームハイの26得点、#4岡田も18得点と積極果敢な攻守を見せ、会場に詰めかけた大勢の地元ファンに気持ちのこもったラストゲームを披露した。

岡田キャプテンが林ヘッドコーチに感謝の花束を贈呈

 試合後は、富士吉田市バスケットボール協会によるセレモニーが行われ、長きにわたって山梨のバスケットボールの普及と発展に多大な貢献をしてきた同チームに惜しみない拍手が送られた。林永甫(イム ヨンボ)ヘッドコーチ、岡田キャプテンが挨拶した後、岡田キャプテンから林ヘッドコーチに感謝の花束が贈呈された。

 山梨は今季、名将・林ヘッドコーチを指揮官に迎えてチーム強化に乗り出した。林ヘッドコーチはかつて日本航空で指揮をとり、Wリーグで準優勝3回、2005年オールジャパンでは優勝を果たしている。その名将の手腕は、今季、確かな形で結実していた。昨季の全敗に対して今季は2勝31敗。アイシンAW、羽田からそれぞれ1勝をもぎとり、リーグ戦後半は格上の相手を再三苦しめる戦いを続けてきた。林ヘッドコーチのバスケットがチームに確実に浸透し、選手が果敢にコートで暴れ回っている姿が印象的であった。

 チームは今季でWリーグの舞台から去るが、「山梨クィーンビーズバスケットボールクラブ」は存続させ、来季は関東実業団リーグで戦い、チームの早期再建に取り組んでいく計画だ。チームの芦沢薫代表理事は、チームの存続が3月上旬の理事会で決定したと語る。「昨年10月のWリーグ撤退の表明の後、チーム存続を求める署名が約3万5000名分集まりました。今後は県内の体育館を転々として練習することになると思う」と語る。現在11名いる選手の去就や新入団選手については未定だという。

感慨深く挨拶をする林ヘッドコーチ

■林永甫ヘッドコーチ挨拶
「私が山梨に来て、皆さんの応援のお陰でチームはだいぶよくなってきました。ただし、皆さんとの約束が果たせずに終わることは心残りです。この体育館(鐘山スポーツセンター)には思い出があります。私が15年前に日本に来たとき、初めてこの体育館で(関東実業団の)試合をやりました。最後もこの体育館で試合をして(韓国に)帰ることになります。これも1つの縁だと思います。皆さんの応援は、私が韓国に帰っても私の胸の中に忘れることなくいつまでも残っていくでしょう。長い間、大変にありがとうございました」

■岡田美香キャプテン挨拶
「たくさんの方にお集まりいただき、ありがとうございました。来シーズンからWリーグ参戦を見送るということが決まった中で、選手一同、この試合に懸けてきましたが、結果はふるわず、敗戦になってしまい、応援してくださる皆さんには本当に申し訳なく思っています。しかし、たくさんの人たちに応援していただき試合が出来たことは、チームとしても自分としても感謝の気持ちでいっぱいです。この長い歴史あるチームが今までバスケットボールを続けてくることができたのは、応援してくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました」

※林ヘッドコーチのインタビューは後日、掲載します。
 

セレモニーの後は、未来を担う地元の小中学生プレーヤーたちとハイタッチ。ファンはいつまでも名残を惜しんでいた

【山梨クィーンビーズ】
前身である日立甲府バスケットボール部時代(1968年創部)から実業団リーグ、日本リーグに在籍し、長い間、山梨県民にも親しまれてきた歴史あるチーム。1999年からはクラブチームとなり、WJBLのW1リーグに参戦。さらに2008年には活動の広域化を図るためチーム名を「山梨クィーンビーズ」に改め、2009年から完全クラブチーム化をめざし、「一般社団法人山梨クィーンビーズバスケットボールクラブ」を運営主体として新たなスタートを切った。完全クラブ化5年目の今シーズン、最大の協力スポンサーであるルネサス エレクトロニクス(株)の事業再編という事情によって、活動拠点である体育館の継続使用が難しくなり、昨年10月、「来季のWリーグ参戦を見送る」ことを発表していた。

(文/舟山緑 写真/小永吉陽子)
 
 
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