韓国・ソウルで開催
大学界の向上を目指して、韓国が新たな国際大会を開催

日本から参加した東海大九州

大学生の競技力向上と交流を目指し
アジア・パシフィック大学バスケットボールチャレンジ開催

文・写真/細田季里

2014年7月3日(木)~10日(木)にかけ、韓国バスケットボール協会主催による「第一回アジア・パシフィック大学バスケットボールチャレンジ」が韓国・ソウル(会場:蚕室学生体育館)にて行われた。

◆参加大学
韓国:高麗大、延世大、慶熙大、東国大
台湾:輔仁大
オーストリア:モナシュ大
中国:東北師範大
フィリピン:アテネオ・デ・マニラ大
アメリカ:ブリガムヤング大ハワイ校
日本:東海大九州

◆グループ分け
GroupA 高麗大、輔仁大、ブリガムヤング大ハワイ校、延世大、 アテネオ・デ・マニラ大
GroupB モナシュ大、慶熙大、東北師範大、東国大、東海大学九州
 
 

目指すは大学界の「ウィリアム・ジョーンズカップ」

予選リーグ・東海大九州(日本)vs東北師範大学(中国)の試合前の様子試合前

この大会の主旨を主催者の韓国協会は「男子バスケットボール代表チームとプロバスケットボールの根幹である大学バスケットボールのグローバル競争力の向上」「世界の優秀大学とのバスケットボール交流と国内大学選手の競技力向上」を掲げており、ルールはFIBAルールで行われた。今後の方向性として、いずれかは「ウィリアム・ジョーンズカップ」(チャイニーズ・タイペイ協会主催)の大学バスケットボール版ともいえるような国際大会として、定期開催していくことを目指している。

それだけにこれからに向けての“船出”となる第1回目が、開催にこぎつけるまでは参加大学集めに苦労した背景があった。韓国メディアによると2月末頃、7月では参加が難しいという回答をいくつかの国から受けていたため日程をずらすことも案として浮上していた。しかし、予定のまま7月に開催。日本やフィリピンの大学は予選リーグが終了すると帰国する日程が組むことで第1回目を7か国10大学で開催とすることとなった。
 
 

「最後のブザーが鳴るまでやる。あきらめないでやらないといけないんじゃないか
と言いました」(東海大九州・元部長)」

試合中、元部長の指示に耳を傾ける東海大九州ベンチ

日本からは東海大学九州が参加。出場経緯について「本来は日本学生選抜が出来るような大きな大会でしたが、関東大学のチームが出られず元(ウォン)部長(元炳善=ウォン・ビョンソン))に打診が来ました。(#15木寺怜・CAP・4年)」と様々な要因が重なってのことだった。急遽、参加することになった選手たちに元部長はこう声を掛けた。

「こういう国際大会に私たちのチームが単独で参加するのはなかなかない。日本の代表として行くわけだから0対100でも100対200というスコアになってもそれは別問題。自分たちは自分たちのバスケを一生懸命やれるかどうか、我々が求めているバスケが通用するか試したり、その可能性も模索する大会にしないといけない。だから、最後のブザーが鳴るまで一生懸命やる、諦めないでやらないといけないんじゃないかと言いました」(元部長)

予選リーグをグループBとなった東海大九州は、モナシュ大(オーストリア)、延世大、慶熙大(ともに韓国)と戦い、0勝3敗で7日(月)の最終戦・東北師範大学(中国)との試合を迎えた。

サイズは中国に軍配が上がったが、東海大九州は持ち味のスピードと「うちは他のチームと違って、空いたら打つというプレースタイル。なので、シュートは常に狙っています。(#15木寺CAP・4年・G・178)」という言葉の通り、1人1人が常にゴールを狙い、その姿勢から生み出されるプレーが何度も中国を慌てさせた。さらには、パッシングから相手ディフェンスのタイミングを少しずつ狂わせ、ゴール下にフリーを作る場面が何度も見られた。

結果は惜しくも勝負所でシュートを決めることができず、敗戦。予選リーグ4戦全敗という結果に終わったが「中国戦は勝ちに行きましたが9点差で負けました。ですが、ゲーム内容としては全然悪くないと思います。うちのバスケットをやれたし、向こうもアップアップでレギュラーメンバーもずっとコートに出せた。うちの学生は一生懸命に戦ってくれたと思います」(元部長)と選手たちのプレーを称えた。

また、後日の記者会見で参加した他国の印象について慶熙大・#14キム・チョルウク(3年・204)は「インサイド陣としてはブリガムヤング大ハワイ校(アメリカ)以外に(対戦相手として)物足りなかった」というコメントは残したものの、「日本(東海大学九州)はサイズは小さかったが、パス回しが速かった」と印象づけたことを示すコメントを残した。これは、彼らが自分たちの持ち味を十分に発揮したからであろう。今回手にした経験を日本に持ち帰り、ぜひ活かしていってほしいと願う。

積極的に前からプレス・ディフェンスを仕掛ける場面が見られた東海大九州

「去年、韓国遠征に来た時も慶熙大とやりましたが、レベルがかなり違って大差で負けました。その時も今回も感じましたが、日本で僕らのゾーンディフェンスが通用したとして日本で間に合うタイミングでも、韓国ではシュートをポンポンと打たれてします。しかも、それがまた入る。でも、東海大九州があれくらいのパス回しが出来れば、うちの持ち味として大事にしているシュートもどんどん打てる。そういうところをマネしていきたいと思いました。

去年は中心的なプレーヤーがキャプテンでいらしてその方についていく感じでよかったですが、今は自分たちが引っ張っていかないといけない。そうなった時にみんなを黙らせるくらいうまいわけではないので、一番に声を出して引っ張っていきたいです」(#5北村正太郎・4年・SF・183㎝)

「一番良かったのは高さや幅のある選手に対するプレーを一番学びました。それは、シュートブロックが来る時にどうやって意識しないで打つか、とか、パスゲームで相手をゆさぶってどうノーマークを作ってシュートを打つか。ディフェンスでもいい経験がたくさん出来ました。今後はこの大会の経験を活かして、スピードのある誰もついていけないようなバスケットを自分たちは貫き通していきたいです」(#15木寺)

また、国際大会の良さの1つでもある「交流」もあった。この試合は予選リーグ最終日のしかも最終戦。19時開始であり韓国戦ではなかったため、観客席はがら空き状態だった。しかし、その時間帯になるとすでに予選リーグを終了したモナシュ大(オーストラリア)が日本の応援に駆け付けてくれたのだ。

あとから話を聞くと、前日に応援のために来てくれることを約束していたとのこと。きっかけは同じホテルに宿泊。Wifiがロビーでしか使えなかったため、自然と顔を合わせているうちに交流が生まれたという。モナシュ大の選手たちは東海大九州の好プレーに拍手や声援を最後まで送り続けてくれた。試合後は両校での記念撮影を行い、彼らは笑顔でこの大会を終えた。
 
 

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