会見要旨
東京プロバスケットボールチーム参入発表会見

 2月21日に調布市グリーンホール(東京都調布市)にて、東京プロバスケットボールチームのbjリーグ参入発表と会社概要の説明会が行われた。昨年3月11日の東日本大震災の影響で東京アパッチの運営会社が休止したため、東京アパッチは今シーズン、リーグに参戦していない。東京復活を望む声が多かっただけに、運営会社を変えての東京復活はブースターの悲願でもあった。ここでは、新たに東京チームを運営する東京プロバスケットボール準備室株式会社代表取締役の原島敬之氏と、bjリーグ代表取締役の中島秀光氏の会見を抜粋して掲載する。
取材/永塚和志

東京プロバスケットボール準備株式会社代表取締役
原島敬之 氏

 皆さまこんばんは。東京プロバスケットボール準備会社代表を務めております原島と申します。本日は東京プロバスケットボール準備株式会社のbjリーグ参入発表の挨拶としてこれほど多くの皆さまにお越しいただき、ありがとうございます。

 今回はbjリーグ参入ということで、今年1月13日にbjリーグよりご承認をいただき、15日のbjオールスターにおいて報告をさせていただきました。そして、本日はこの東京の地で、そしてこれからこの東京の中で我々がどのようにbjリーグの東京チームとして運営をしていくかということを、まずは今日お越しの皆さまにお伝えしたいということで、急なご案内でしたが、本日は東京全域、都内23区、そして多摩地域の各行政の方々、またバスケットボール関係者の方々、また各地域で活躍されている各団体の方々、そしてこれからお世話になる各施設の方々と、本当に多くの方々にお越しいただいております。

 東京にはbjリーグ初年度からチームがありました。昨年は震災のために運営会社が休止をし、今季は東京のチームとしては参戦しておりません。その中で、東京で市民球団として、新たに運営会社、新チームとして立ち上げて行こうということで、急ではございますが、昨年の10月くらいからbjリーグと話をさせていただき、1月13日に承認をいただきました。

 私はバスケットボール経験者ではございません。またバスケットボール会社の運営もしておりません。ですけれども、数年前に現在、bjリーグの代表をされている中野社長との出会いから、(今回の話が)始まったのです。私も2年前に東京アパッチの試合を見に行きました。それは中野社長から電話をいただいて、「まず試合に来ないか」とお誘いいただいたのがきっかけでした。その時は東京(アパッチ)と琉球(ゴールデンキングス)のゲームでした。非常に点差が開いて東京が負けた試合でしたが、その中でも会場が盛り上がり、東京のブースターが東京のHCに「やめれ」「帰れ」というような罵声が飛び交っていました。そんな時に見させてもらったのです。ただ、目の前で本当のプロの選手の試合を見ることができました。それから私はバスケットボールにはまったということであります。

 当時のチームは、小金井の会場で練習しておりましたので、この地域にHC、選手が多く住んでおりまして、いろんな方と話す機会がありました。その中で、選手たちのバスケットボールにかける思いとか、また地域の人たちとともに子どもたちへの夢などを話させてもらいました。そういうことが1、2年続きました。そして今回、震災によって東京のチームが休止し、しかしなんとかチームを立ち上げてもらいたいというチーム関係者やブースターなどいろんなところからの声が耳に入ってまいりました。

 東京という地域には、娯楽、またスポーツ観戦できる環境がたくさんあります。東京には野球では読売巨人軍、ヤクルトスワローズ、サッカーではFC東京や東京ベルディといったチームがあります。施設も大きな会場があります。その中で子どもたちは平等にいろんなスポーツをして、夢をもって、スポーツをしております。バスケットボールはまだまだ日本の中ではメジャーではありませんし、プロといってもまだまだ皆さまに見ていただく機会がない状況です。ですが、子どもたちはミニバスケットをはじめ、中体連、高体連などで活躍をしています。その中で「ぜひ市民球団として我々にできることを」ということで、何人かの仲間に声をかけ今準備しているところであります。

 ですので、今までの東京のチームは、大資本があったりとか、お金を持っていたりとか、大企業がスポンサーに入っていたりとか、そして大会場で大勢の中で優勝を狙う、派手な演出をする、そんなことを期待されるチームだったのだと思います。しかし今の日本で、あるいは東京で、バスケットボールはまだまだ知名度がなく、テレビでも放送されない。その一方で、バスケットボールで成功しているのはやはり地域密着でやっていて集客力があったり、盛り上がって地域の活性化につながっているチームだと思います。東京でもそういうやり方でできるのではないかと。お金も、スポンサーもまだついていません。地域から、そして今日お越しの多くのご理解いただける方、いろんな方々のご協力が必要です。そういう方々とともに東京でもできるんじゃないか、またしていかなければならないんじゃないかと思い、何人かと共に始めたチームです。

 今までの東京のチームとは運営の仕方などはまったく違うやりかたで考えております。本当ならば2、3年かけてもっと多くの方の理解を得て、こういう場を持てればよかったのかもしれませんが、我々はそういった意味でbjリーグよりチャンスをいただいたと思っています。そのチャンスを皆さまと一緒に生かして、東京でも成功するという事例を作りたい、そして市民に愛されるチームを作り上げたいということで、今日、スタートいたします。

 我々は過去の東京のチームではなく、新規のチームで、市民球団を目指しております。今回はまずは我々の考え方を含めてお話させていただきたいと思います。今までの東京アパッチを応援していたブースターの方々からもご意見をいただいております。今後、市民球団でありますので、我々だけではなく一人でも多くの方々から東京チーム復活ということでご協力をいただきたい。それには支援金というものも募集させていただいております。一口1万円でございます。その1万円は今後の復活するまで、10月までの資金として使わせていただきたい。それをぜひ一人でも多くの方に支援していただきたい。我々だけではなく多くの都民、市民の方々と一緒にスタートしたいということで行っております。

 明日からはチーム名、これも今までの東京アパッチという名前を使わせていただくのか、そうではなくて新しいチームということで新しい名前にするのか、といったことを、多くの方々からご意見をいただきながら、最終的に決めさせていただきたいと思います。

 試合会場は、本来1年から1年半前から抑えないと東京では土日開催は難しいという状況です。今、いろんな地域へ行き、地域の方、協会の方、商工会、青年会議所などを含めてご相談させてもらっているところであります。会場は東京都、多摩地域の会場を使わせていただきたいと思っております。初年度は、特に前半は千人規模の、またあるいは千人を切る会場でも行おうと思っております。東京は今までは数千人規模の会場を使っておりましたが、我々は地域にある体育館を使わせていただき、1年ではなくて毎年この月にはこの地域で恒例のように試合をするということを目指しております。6月には大田区のアリーナ建設の話がありますし、また八王子にも26年度に、三鷹にも28年度にアリーナ建設の話があります。また、この地域の中で来年度国体を迎えます。その3年後に味の素スタジアムの横に1万人規模のアリーナの建設が予定されています。そういった会場を使わせていただきながら、まずは千人の規模から初めて、そして2千人、3千人、4千人、そして5年後には1万人の会場がいっぱいになるくらい、そして多くの都民、市民の方がそこに来て、バスケットボールを見る機会を作れればと思っております。

 今までのチームのように大資本があり、東京だからといって大会場で開催して、というような金をかければいいというのではなく、皆の力でチームを作るというのが我々の考えでございます。今後はどんな選手が東京チームにふさわしいかなど、ご意見いただけるような機会を持ちたいと思います。

 これから皆さんと共に、市民に、都民に、子どもたちに夢をもってもらえるそんなチームを作って行ければと思います。その中で地域が活性化し、皆が喜ぶようなそんなチームを作って行きたいと思いますので、どうかご協力とご理解をいただきたいと思います。

bjリーグ代表取締役
中野秀光 氏

 原島さんからも先ほど話がありましたが、実は1997年、「日本青年対象スポーツを通した町づくり委員会」で原島さんと出会いました。全国から63名のスポーツで町を元気にしようという人たちが集まっていました。そのときのアドバイザーに当時の川淵(Jリーグ)チェアマンにいろんなアドバイスをいただきました。

 原島さんとは、実は2、3年前から膝を交えて話をしていました。

(島根スサノオマジックの例を挙げると)島根県は人口70万人です。僕の仕事はチームを作ることです。エクスパンションのチームを作るために全国を回っているのですが、島根にチームを作る時に、最初は「島根県は70万人の人口ですよ。そんなの成功しますか?」と言われました。僕からしたら70万人もいるわけですよ。僕たちの試合は2千人しか入らないわけですから。なんと、半年でファンクラブというかブースタークラブの数は1万人を越えました。1年でアリーナ建設が決定しました。本当に奇跡のようなことが起こっています。

 地域の方が支えるチーム。フロントが主役になるのではなくて、お年寄りや子どもをまずは大切にすること。そしてフロントが地域の方と膝を交えて話を聞けるかがポイントになると思っています。私はこの(多摩)地域が必ず成功すると確信しています。ひと言で申し上げて、私もこちらのほうへかなり通ってきていますが、地域の方の膝の交え方が本当に素晴らしいです。僕はここ(調布市)に来て、東京なんでしょうけど、自分の「ふるさと」を感じるんです。それはなぜかというと、会話がある。非常にいいですね。いろんな方と話し合っている。非常に心が温かくなる。僕らのbjリーグはそういうリーグでいいのではないかなと思います。