JX 対 トヨタ自動車
Wリーグ ファイナル第3戦 試合後のコメント

トヨタが崖っぷちからファイナル初の「1勝」をつかむ。若手の起用と厳しい守りでJXに完勝

レポート/舟山 緑、小永吉陽子

■2012年3月4日(日)船橋アリーナ

トヨタ自動車 82( 19-10 . 14-16 . 28-12 . 21-13 )51 JX  
(1勝2敗)                                        (2勝1敗)   

勝利の瞬間のトヨタベンチ。待望の一勝に、久手堅は渾身のガッツポーズ

記者会見と個別取材より一部抜粋して掲載

■勝利:トヨタ自動車・丁海鎰(チョン・ヘイル)ヘッドコーチ

 本当に勝ててよかったです。正直、まさか、うちの選手がここまでやるとは想像できないぐらい、みんな素晴らしい試合をしました。

■トヨタ自動車・矢野良子

 今日は丁さんから「後半勝負で、若手でつないで一生懸命にやっていく」と言われ、本当に若手たちが一生懸命につないでくれました。しかも、リードして私たちをコートに送り出してくれ、本当にみんなでつないだ試合だったなと思います。過去2年、プレーオフをJXとずっと戦ってきて、そのプレーオフに限っては勝っていないで、うちの選手たちには「JXの選手に勝てない」という気持ちがありました。その意味でこの1勝は本当に自信になるものです。どういう気持ちで試合に挑めば勝ちゲームにつながるのか、自信につながる試合になったと思います。これで流れが変わるという意味では、今日こういう(大差の)試合ができて本当によかったと思います。 

激しい運動量で、攻守に大活躍した川原

■トヨタ自動車:川原麻耶

 今日は負けたくないという気持ちが最初からすごく強く、最初はちょっとカラ回りしましたが、その気持ちがみんなに伝わればいいなと、自分ができることを精一杯頑張りました。(若手3人のスターターについて)最初に久手堅さんと矢野さんと池田さんがいなくて、私自身は3人がいないから「どこまでいない中で点数が取れるのか」「どこまでディフェンスで頑張れるのか」と考えていて、とりあえず自分のプレイができなくても声だけは出せると思って、そういうところで気持ちはすごく入っていました。この1勝で本当に自分自身、自信をつけることができたので、あと2戦、1試合1試合、自分ができることを一生懸命頑張りたいと思います。

■トヨタ自動車・森ムチャ

(試合を終えての感想は)楽しかったです。スタートで出ることは、アリーナに来て練習のときに言われました。昨日のミーティングでインサイドの控えが3人いる中で「誰かがスタートで行くから」とは言われ、それを聞いて「やってやろう」と思いました。負けた日はあまり出ていませんが、悔しくて泣きました。初めてのスタートでしたが、いつ出てもやることは一緒です。ミスしてもあとに大先輩がいるから安心でした。思い切りやってダメだったら、「先輩方にお願いします!と渡せばいいのだから」と思っていました。

(自分の出来は)まだまだもっとやれることがたくさんあると思うので、それを正確にやりたいです。よかったのはボールに絡めたことです。(4戦目に向けては)どの試合もセンターで負けているし、JXは今日以上に中でやってくると思うので、そこをみんなでがっちり網を張って簡単にやらせないようにしたいです。個人的にはあまり考えずに思い切りやり、常にリバウンド、ルーズボールを取っていきたいです。あとはディフェンスを頑張りたいですね。自分が出たときに少しでもプラスになるプレイをしたいです。

森、金原、天津、小池ら、キャリアが浅い若手が前半のリズムを作った

■トヨタ自動車・金原彩姫

(いい流れを作った点について)1、2戦ともよい流れで来ていたけれど、最後はやっぱり力不足で負けてしまいました。今日の試合前に、「若いベンチメンバーがしっかりつないで、上の人たちにバトンタッチする」と言われ、みんなで戦おうと心に決めていました。試合に出たら自分のプレイを思いっ切りやって久手堅さんにバトンを渡そうと。そういう気持ちで1分でも2分でも出られたら、少しでも自分の役割を果たそうと思って臨みました。

(自分の出来は)うーん、ちょっとミスも多かったけれど、気持ち的にはやろうというのがいつもより出ていたので少しはプラスになったのかなと思います。前半うちが1回リードして、すぐ追いつかれたとき、やっぱりまだ不安というか、何をやったらいいかなと周りを探す時間が長かったので、その時にもう少し冷静にやれればよかったかなとは思います。

(第4戦に向けて)目の前の一戦をチーム全員で戦います。JXはバスケット界のスターが集まっていますが、うちはそうじゃなくチームで戦っていきます。今日みたいに全力でルーズボールをスライディングするまで追いかけたり、気持ちのこもったプレイをしていきたいです。個人としてもリングに積極的に向かうこと、ディフェンスでもハッスルしてアグレッシブにプレイしていきたいです。

――スタートを若手にした理由は“後半勝負”というのがあったのですか。

丁HC 1戦目、2戦目ともに逆転負け。本当に力がなかったらそこまでリードはできません。この3戦目は負けたら終わりで後がないので、“極端にやるしかない”と思い、若手を起用しました。前半もし5点、あるいは10点負けていても、後半はベテラン選手がやってくれると思い、ベテラン選手の体力温存を考えました。森や天津がすごく頑張ってくれました。私の期待以上に120%やってくれました。

――若手メンバーの起用は迷った末でしたか、それとも第2戦後にすぐに切り替えて決めたのですか。

丁HC 迷いませんでした。どうすれば勝てるのかを考え、これしかないと思いました。若いメンバーをスタートで使い、後はベテランたちが後半に頑張ること。ゾーンも準備はしましたが、それは使わずにマンツーマンだけで勝負しようと思いました。2戦目は吉田で負けたので、どうしたら吉田を抑えられるか。またウイングからのパスを抑えてオフェンスをスムーズにさせないことを考えました。ディナイを厳しくしてウイングに簡単にボールを持たせないこと。このディフェンスが当たりましたし、うちのセンター陣も中で頑張って守ってくれ、得点も取ってくれ、すごくうれしいです。勝っている試合はディフェンスもオフェンスも全てうまくいきますね。

――試合中に何度もガッツポーズを取っていました。今年は去年と手応えが違いますか。指導者として優しくなったようにも感じますが、どうでしょう?

丁HC 手応えは去年とは違います。やはり年を取ったら丸くなります(笑)。このプレーオフは、もし今日負けたら終わりですから、できれば選手とハイタッチもやりたいし、いろんなことを個人的に考えました。それで昨日負けて帰った時にトヨタの(豊田)晃男社長から「もうちょっと楽しくやりなさい。もっと自分たちを信じてやりなさい」というメッセージを(コーチのメールを通して)もらいました。それにすごく感動しました。社長からそういうメッセージをもらい、もっと頑張らなければと、勇気をもらいました。それに、ガッツポーズはもう今日はいっぱいやりたかったんです(記者団も大爆笑)。もう、これまでの人生の中で一番いっぱいやりました。こんなに1試合でガッツポーズをすることはもうないです(笑)。今日は何でも何でもうれしいです。

得意とする2対2の合わせや、コンビネーションプレイが冴えわたった。写真は矢野のパスに合わせる池田

――矢野選手に質問。今日はスタメンの若手選手に何か声をかけましたか。

矢野 特別にはなかったです。いつもファイナルでは「勝ちたい」とか「勝たなきゃ」という見えないプレッシャーに負けちゃってますから。この舞台に立てるのは2チームだけですし、「ファイナルで戦える感謝の気持ちと誇りを持って、楽しんで戦おう」とそういう感じで声をかけました。昨日はもっと崖っぷちだったので、今日は感謝することの再確認でした。その点で、控えの子たちがハツラツ、ノビノビやってくれ、「ありがとう」という感じです。

――若手が頑張った後、ベテランもいい働きをしましたね。

矢野 若手のオフェンスがうまくいかなくなった時点で「お前ら行け」と丁さんに言われました。その準備についても(なぜベテランがあとから出て行くのか)ちゃんと話をしてくれ十分にわかっていたので、あとはやるだけでした。若手で流れができていたので、向こうのペースになる時間があまりなかったというか、私たちが出て行ったときにはうちに勢いがありました。

――第4戦に向けてはどんな戦いをすべきだと思いますか。

矢野 この流れができているので、このままいけばいいのかなと思います。うちの若手メンバーでやっていることがJXは慣れていないのでアジャストしきれてない印象を受けました。5分でも10分でもいいから若手がやってくれればと思います。今日は若手たちも「これくらいできるんだ」という自信になったと思いますし。ここからですね、もう1つ勝たないと(2勝2敗の)スタートラインに立てないので頑張ります。


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