フィリピンが導入した「アジア人枠とは」
安藤誓哉、カナダの次はフィリピンでプレーオフに進出

安藤誓哉(あんどう・せいや)/181㎝、PG/1992年7月15日生まれ、23歳/明成高→明治大。NBLカナダ、ハリファックス・レインメンではオール・ルーキーチームに選出された

◆ 安藤誓哉――カナダで得た日本にはない“プッシュ”する意識

カナダの次はフィリピン。
安藤誓哉のハングリーな挑戦はまだまだ続く

文・写真/小永吉陽子
 

カナダでのスタッツと活躍が認められ、5月からフィリピンリーグ(PBA)に参戦

フィリピンのプロリーグ「PBA」(Philippine Basketball Association)のメラルコ・ボルツに所属している安藤誓哉がプレーオフ進出を果たした。今季から導入された「アジア人枠」の選手として5月13日より参戦。スタメンのポイントガードとしてレギュラーシーズン9試合で、出場時間平均31.3分、9.2得点の活躍を見せている。(PBAは12分×4Qの48分ゲーム)

「日本にはない厳しい環境のもとで自分を向上させたい」との決心のもとで、明治大学を4年生の途中で退部したのが昨年の夏(部活は退部したが、今春には明治大学を卒業している)。その後、契約に至ったNBLカナダのハリファックス・レインメンでもスタメンのポイントガードとして出場。最高得点はファイナル第6戦の27得点。全試合で10.2得点、3.9アシストのスタッツを残し、NBLカナダのオール・ルーキーチームに選出されるほど目覚ましい活躍を見せた。

チームはファイナルに進出したが、優勝まであと1勝と迫った第7戦前の練習時にショッキングな事件が起きた。相手チームが仕掛けた乱闘に巻き込まれ、チームはスポーツマンシップに反する相手側を抗議し、第7戦には出場しないことを表明。しかし、興行である試合を放棄したとみなされて、リーグからは処罰を受けることとなった。

「優勝をつかめなかったこと、最後の試合を戦えなかったことが悔しくてたまらない」。安藤のルーキーイヤーはショッキングな出来事で幕を閉じることになった。

「フィリピンよりカナダのほうが速かったから、スピードある展開は慣れました」と言い、アップテンポなゲームメイクが身についてきた

しかし、終わり方は最悪でも、非常に中身の濃いシーズンを送ることができたといえる。

NBLカナダは北米ということもあり、Dリーグ入りを目指す選手や、プレータイムとサラリーを求めてDリーグから流れて来る選手が多い。そんな選手たちはみずからのスタッツを上げることを目論み、セルフィッシュなプレーに走る選手も多いが、安藤が所属したハリファックスは違った。スカウティングと戦術を徹底的に準備して臨むジョゼップ・クラロス・ヘッドコーチのもと、チームの和を重んじるスタイルを貫く。安藤は海外でスキルを磨くチャレンジをしながらも、「チームで勝利を目指すバスケットができることがありがたい」と、勝たせるポイントガードになるための経験を積んだルーキーシーズンだった。

フィリピンからのオファーは、そんな安藤のカナダでのシーズンを通しての活躍と若さを見込んでのオファーであり、ファイナルを戦っている最中に2チームから来ていた。安藤はすぐに参戦することを決めている。

「海外のリーグでスキルアップをしたいことが一番の理由だけど、バスケットが国技の国でプレーできるなんて、選手だったら絶対にやってみたいと思う。満員のアリーナで試合ができるなんてワクワクしますよ」

何より、海外のクラブと契約に結びつくということは、その期間のサラリーが保証されるということでもある。いつ無所属になるかわからない身としては、稼げる時に稼いでおくことは切実な問題なのだ。

日本に戻った5月上旬、オファーがあった2チームのうち、積極的なコンタクトを取ってきたメラルコ・ボルツと契約。日本滞在はわずか4日。すぐにフィリピンへと旅立った。
 
 

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