大学生の日韓戦、アウェイで完敗
韓国との実力差を突きつけられた3連敗

第35回李相佰盃日韓バスケットボール競技大会

5月18日~20日/韓国・高陽体育館
文・写真/小永吉陽子

■第1戦
韓国 92( 30-11. 15-16. 20-16. 27-13 )56 日本
BOXスコア

■第2戦
韓国 88( 25-12. 15-23. 25-14. 23-18 )67 日本
BOXスコア

■第3戦
韓国 82( 21-15. 19-13. 18-17. 24-23 )68 日本
BOXスコア

韓国大学バスケットボール連盟
 
 

チームになりきれなかった日本、3戦とも完敗に終わる

202㎝と207㎝の機動力あるツインタワーが機能していた韓国

 3戦とも韓国の完勝、日本の完敗だった。3戦を通じて韓国に先手を取られて追いかける苦しい展開。1戦目に至っては「36点差」という惨敗。2戦目と3戦目はディフェンスから立て直しを図り、前半は走ることはできた。しかしスタミナが切れてしまうと、後半には点差を追いかけることだけで精一杯になってしまった。日本と韓国はこれほどまでに実力差があるのだろうか。

「パス、ドリブル、判断力すべてのスキルにおいて韓国のほうが上。現段階では差があることを認めているし、これがA代表との差でもある」と斎藤ヘッドコーチ。選手からも同様の感想が聞こえた。

 すべてのスキルが一枚上であるがゆえに、韓国には特別に何かを仕掛けられてやられたわけではない。確かに高さでは韓国のほうが上回り、強力ツインタワーの#12キム・ジョンギュ(207㎝、慶煕大3年、韓国代表)と#14チャン・ジェソク(202㎝、中央大4年)を起点とし、アウトサイドを効率よく絡めた破壊力は止められなかった。とくにこの2人のセンターと、韓国代表候補24名に選ばれたパワフルな#15イ・スンヒョン(197㎝、高麗大2年)を含めて3人のタイプの違うセンターが持ち味を発揮していた韓国は、例年よりインサイドで主導権をガッチリと握っていた。

 しかしそれ以前に日本は、ディフェンスでは脚が止まってローテーションが悪く、オフェンスでは起点を作れていなかった。「やりたいバスケットの形は何か」――日本が戸惑っている間に、韓国はそうした日本の判断ミスを見逃さずに、アグレッシブなディフェンスから攻撃に転じていた。日本は単純なミスから崩れていったのだ。

 個々のスキルに差があるのであれば、チームプレイで徹底することが求められたが、この部分でも日本は未完成だったため、完敗を喫するしかなかった。この結果をただの国際親善試合で終わらせずに、完敗した中身を追求していくことが、これからの大学界では必要となる。
 
 

韓国/チョ・ソンテ監督――高さの利点を生かしてリバウンドを取れたことが勝因

タイトなディフェンスから日本のミスを誘っていた韓国

「3戦を通じて勝利したのでうれしかったです。韓国代表は各チームのエースが集まっているんですが、自分のプレイを捨ててディフェンスに集中してくれて、そのおかげでうまくいったと思います。

 高さの面では日本より上だと思っていました。日本はスリーポイントが多いのでそこを押さえたことと、あとは高さを使ってリバウンドを取れたので、それが勝利につながったと思います。

 3戦目では、たくさんの選手を積極的に起用しました。明日(5月21日)から韓国の大学リーグ戦が再開するので、その点を配慮して各選手のコンディションをコントロールしました。そういった点もこの大会でうまくいったと思います」
 
 

日本/齋藤一人ヘッドコーチ――すべてのスキルにおいて韓国のほうが上。これが現実の差

日本はシュートチャンスを作る仕掛けが少なく、田中や比江島のシュートが単発に終わった

「試合を重ねるごとにいろいろ修正を図ったので、チームのバランスもチームのあわせも良くなってきたと思う。試合をやればやるほど、チームという結びつきは良くなっていき、声も出るようになっていった。しかし、まだまだ、チームとしてはやり込めていなかったので、3戦全敗という結果になりました。

 すべてのスキルにおいて韓国のほうが上回っていました。パス、シュート力、止まる力、ピボット、スペースを作る、判断する力、気持ちで切れないこと。一つ一つはちょっとずつの差だけど、トータルするとすごい差になる。それはハッキリ見えていました。

 収穫点は永吉のインサイド。落ち着いてやれば対抗できた面もありました。また、ピックアッププレイに対してもできたところがありました。日本は細かい精密力があるので、スペースを取って、状況を見極めて判断できれば、ノーマークを作ることができると思います。そこでシュートを決め切る力をつけないといけないし、そこから割っていく判断力と実行力の強さを身につけることも必要です。ひとつひとつのプレイに、もっと力強さをつけていかなくてはなりません。

 今後の日本の課題としてはたくさんあります。まず、今大会は試合をやればやるほど見えてくるものがあったので、このような選抜チームの集まりを継続して、月に一度集まってゲームをやるなど、そういった経験を大学界で作っていきたい。やっぱり練習だけじゃなくて、ゲームをやって経験値をあげていかなきゃダメだと思う。毎月、集まってそういう経験を積んでいかないと、韓国のスキルにはなかなか追いつかない。

日本のスタメンは石川、比江島、田中、張本、永吉

 トレーニングにおいても各大学に任せているような感じなので、今後、大学生をどの方向性で強化するのかという点においては、もうちょっと軸となるものを作っていかなくてはならない。それが代表チームにつながっていくのだから。

 フィジカル面でも技術力でも、今回の点差が韓国学生との差だと正直思っています。そして、代表での差でもあるように思います。それを縮めていく努力はしていきたい。それには各大学に強化を委ねるのではなく、小学校からの向かうべき強化のシステムを作ることだと思う。今回は完敗を喫しましたが、今後も継続的に大学生の強化が必要だということを痛感したので、このことを提案していきたいと思います」

※選手のインタビューは【インタビュー/コラム】のコーナーにて掲載。