全勝同士、注目の対戦!
JX vs 富士通――首位決戦はJXが圧勝で2連勝

渡嘉敷と長岡がマッチアップした注目の一戦
2戦ともに前半で勝負を決めたJXの機動力。厳しいディフェンスで富士通を封じ込む

JX、富士通ともに、多くの若手が台頭しているシーズン。注目の首位決戦はJXが快勝した。左から町田、長岡(富士通)、吉田、渡嘉敷(JX)

取材・文/舟山 緑  写真/小永吉陽子

 中盤戦にさしかかったWリーグのレギュラーシーズン。開幕から8戦全勝と白星を重ねてきたJXと富士通との2連戦が、東京(11月9日)と長野(11日)にて行われた。試合は、1戦目に88-61と圧勝したJXが、続く2戦目も71-52と快勝し、首位をキープした。ここでは、11月9日の大田区総合体育館(東京)で激突した試合をレポート。

■11月9日(金) 東京:大田区総合体育館
JX 88(23-18、31-8、21-19、13-16)61 富士通

■11月11日(日) 長野:長野運動公園総合運動場総合体育館
JX 71(21-6、21-12、17-15、12-19)52 富士通
 
 今季のJXは、1月に右足甲を手術した#10渡嘉敷来夢が完全に復帰。これまで以上に積極果敢なプレイを見せている。その渡嘉敷と同期で3年目の#5岡本彩也花が、今季はスタートに抜擢され、3ポイントやドライブで貢献。インサイドの柱に成長した#21間宮佑圭を軸に、佐藤ヘッドコーチの下、より機動力のあるバスケットで首位をひた走っている。

 一方の富士通も、今季、藪内夏美ヘッドコーチの下に新体制となった。10月27日、28日のトヨタとの2連戦では、接戦をものにして貴重な勝ち星を重ねてきた。中でも注目を集めているのは、ルーキーの#0長岡萌映子(181㎝)だ。札幌山の手高校時代から図抜けた得点力を見せてきた選手で、高3で日本代表入り。2011年の長崎でのオリンピックアジア予選では、最年少ながら積極果敢なプレイで、そのポテンシャルの高さを見せつけた。

 富士通の長岡が5試合ぶりにスタートとなったJXとの第1戦。勝負は前半で決着がついてしまった。互角にわたりあったのは第1Qのみ。第2Qに入るとJXは、富士通のゾーンディフェンスをものともせずに、高さと機動力を爆発させて着々と加点。3分過ぎにはディフェンスリバウンドから速攻に走った#12吉田亜沙美が気迫あふれるドライブインを決めて、カウントワンスローも加え33-24とリードを奪った。

 この後、富士通はJXの高さと厳しいディフェンスを崩すことがなかなかできず、フィールドゴールを奪えずに苦しい試合が続く。JXはこの第2Qだけで31得点をマーク。前半を54-26と大量リードで折り返した。28点のビハインドを追う富士通は、後半、#45名木洋子が3ポイントやミドル、#12篠原恵がジャンプショットなどで気を吐いたが、流れを変えることはできなかった。

 試合は88-61の圧勝で、JXが注目の一戦を制することとなった。JX渡嘉敷とマッチアップした富士通の長岡は、11得点、7リバウンド。要所で長岡らしいプレイも見られたが、JXの厳しいチーム・ディフェンスの前に守られてしまった。

 JXは、3ポイント6本を含む22得点をあげた#5岡本を筆頭に、5人が二ケタ得点を挙げ、堅いディフェンス力と得点力を見せつけた。足の痛みのために開幕から戦列を離れていた#1大神雄子が、前の週からゲームに復帰したのも大きかった。ファンの大声援を受けた大神は、27分出場で12得点。持ち前のアグレッシブなプレイでコートを走り回り、その存在感を強くアピールした。

JX・大神雄子

怪我から復帰した大神(左)、第1戦で6本の3Pを決めた岡本

(久々にコートに立って)コートという戻れる場所があるのは本当にうれしく、感謝の言葉しかありません。改めてバスケットが出来る喜びを感じています。昨年12月に足の甲の骨折という診断を受けてからは、ろくに練習ができず、リーグのプレーオフも6月のオリンピック世界最終予選も調整だけしてぶっつけ本番で臨みましたから、こうしてちゃんと練習をしてコートに立てるのは、10カ月ぶりぐらいです。まだまだゲーム感覚もコンディションも整っていないのは事実ですが、コートに立ったときにヘッドコーチが望むことをしっかり表現することが、12年目のシーズンなので(ベテランとして)出来るかなと思います。困ったときに「シン、行ってこい」とヘッドコーチに言われるような仕事をしたいですね。

 富士通もここまで全勝しているので勢いがあるチーム。お互いに今、勢いがあるもの同士の対決となりましたが、前半でしっかり走って54点取れ、ディフェンスのよさも失点26点として表れています。これは日本代表がやっていきたいバスケットにもつながるかなと感じました。

JX・渡嘉敷来夢

 富士通はリバウンドが強く、特に長岡選手と篠原選手がオフェンス・リバウンドをすごく取っているので、この試合では自分のリバウンドがカギになると思って臨みました。その仕事はまずまず出来たかなと思いますが、前半のゾーンに対してはもう少しリバウンドを取りたかったですね。それに後半もオフェンス・リバウンドを8本取られたので、そこはもう少し抑えたかったです。

(長岡選手に対しては)ルーキーなので少し警戒をしましたが、そんなに心配はしていませんでした。もし自分が守れなくても、チームで守れればいいと思っていましたし、やられたらやりかえせばいいと思っていました。(印象は)たぶん、向こうはちょっと緊張していたかも……。そんなに意識はしませんでしたが、リバウンドはやっぱり強かったですね。

(全勝同士の対決について)自分たちのバスケットができたら負けるとは思っていなかったので、全勝対決という意識は特になかったです。別に緊張もしなかったです。JXのバスケット、自分たちのやるべきことをしっかりやれば、絶対に負けることはないと思って戦っていました。

富士通・長岡萌映子

(JXとの初の対戦は)「強いな」の一言です。それもただ強いだけじゃなく、ちょっとしたスキを逃さないチームという感じ。小さな競り合いやルーズボール、ディフェンスの1歩の手とか、リバウンドとか、そういう小さな積み重ねが「強さ」なのかなと感じました。今までJXと対戦したことがなかったので、おおまかに「強い」と聞かされていても実感としてなかったのですが、(戦ってみて)高さやパワー、スピードだけじゃない、というところをすごく痛感しました。自分たちもそれを追求してやってきたつもりでしたが、まだ甘かったというか……。

 自分たちが出来なかったことを相手がやってきたことが、すごく勉強になりました。ここで出来なかったことを次は修正し、また戦えるように頑張りたいです。JXとはまだ1戦目。負けたのは悔しいですが、この1試合だけでヘコんでなんかいられません。リーグはまだまだ続きますから。