大阪体育大 vs 早稲田大
大阪体育大が5年ぶり2度目の優勝

大阪体育大が攻めのディフェンスで5年ぶり2度目の優勝                

終始、主導権を握って試合を展開した大阪体育大が優勝。歓喜の瞬間、27得点を入れたエース#10奥原はガッツポーズ

 インカレ6日目は女子決勝が行われ、ノーシードから勝ち上がった大阪体育大(近畿2位)が、第3シードの早稲田大(関東2位)を68対65で退け、5年ぶり2度目の優勝を遂げた。2連覇をねらった早稲田大は、終盤、2点差まで詰め寄ったが、逆転には至らなかった。大会MVPには、果敢な攻めでチームハイの27得点をあげた大阪体育大の#10奥原左智が選ばれた。
 
 
◆24日の女子試合結果と個人賞はこちら
 
 
■女子決勝
大阪体育大 68(22-14、7-15、23-13、16-23)65 早稲田大

【スタートメンバー】
大阪体育大:#4清水池美緒/#6金本望/#8落合千里/#10奥原左智/#11唐津亜耶
早稲田大:#8丹羽裕美/#9本多真実/#24金山舞穂/#49森仁美/#51傳田みのり

 前半、立ち上がりは大阪体育大が#8落合、#10奥原の活躍で主導権を握ってリード。武器であるプレッシャー・ディフェンスで早稲田の#8丹羽に得意なポストプレイをさせない展開に。それでも早稲田は#24金山、#11根岸の活躍で29対29と同点として前半を折り返す。

 3Q立ち上がりでいったんは逆転した早稲田だったが、すぐに大体大も#8落合、#10奥原らが果敢にゴールに向かって再び試合の主導権を奪っていった。10点差が縮められない早稲田。第4Qに入って厳しい守りの中で#8丹羽が連続ゴールを奪い、#11根岸の3ポイント、#9本多のドライブインで残り5分33秒には55対58と詰め寄った。しかし、この勝負所で大体大は、早稲田の守りの甘さを突いて再び突き放す。早稲田はエース#8丹羽が奮闘して猛追していく。5点差を追った残り32秒には、#9本多の見事なリバウンドから#15本橋が3ポイントを沈めて65対67。ようやく2点差とする。逆転をねらう早稲田は、ボールマンにプレッシャーをかけてスチール。ポストの#8丹羽にボールをつないで勝負に出たが、大体大の堅い守りに阻まれてしまう。最後は本橋の3ポイントもリングに弾かれて万事休すだった。

 終始、タイトなディフェンスで早稲田に得意なバスケットをさせなかった大体大。フィジカルの強さでチーム・ディフェンスが光ったが、早稲田の猛追を受けながらも、#10奥原、#11唐津、#8落合らを中心に、全員が常にゴールに果敢に向かった攻めも、優勝にふさわしいものだった。

■5年ぶりに優勝を果たした大阪体育大・中大路 哲監督

春先から強化をしてきたディフェンスで、終始、しつこく守り切る。
決勝のみならず、全試合で完璧に自分たちのゲームができました。

好リードでチームを優勝に導いた大体大#8落合

前半は同点ながら29点だったので、自分たちのゲームだなと思いました。第3Q途中では完璧に50点ペースだったので、「これならいけるな」と。さすがに50点台には抑えられず、60点台のゲームになりましたが。早稲田がうちに苦手意識をもってくれたのは、ありがたいです。全体に大きいチームなので、うちのフィジカルなディフェンスは基本的にはイヤがると思っていたので、丹羽選手のところさえしっかり抑えれば、ディフェンスは通用すると思いました。簡単にタテに切られることはないですから。

うちは決定的にセンターのサイズが足りないので、スイングからのハイローがなかなかうまくいかず、どうしても落合、奥原のところから仕掛けて合わせをするプレーになりますが、それが何本かうまくいきました。落合の準決勝でのネンザは何とか腫れは免れたものの、痛みは相当あったようで、シュートの踏み切りがいつものようにいかず、速いドライブはできなったと思います。

後半、第3Q終了時に42対52と10点リードできたところで、「コントロールすれば逃げ切れるな」と思いました。この後、追いつかれそうな場面で、うちが再三入れ返したのも大きかったです。

5年前の名古屋インカレでの優勝は、タレントもいて、サイズもあるチームでしたが、今年は1対1だと簡単に負けてしまうチーム。そこで、春先からディフェンスをもう半歩縮めようとやってきました。相手のエントリーは絶対させない、フォワードへのパスは全部切ってしまう、ポストがフラッシュしたらそこをつぶす。そのディフェンスがうまくいきました。今大会は1回戦から5試合、ほぼ完璧にうちのゲームがやれたと思います。どの試合も最後までディフェンスの足が止まらず、しつこく守れた。自分たちのスタイルを選手がハッキリ理解し、40分間ずっとやろうと戦ってくれ、選手たちはよく頑張ってくれました。

■大阪体育大#4清水池美緒(166㎝/F/4年/広島皆実高卒)

大阪体育大は当たりの強いディフェンスを披露。早稲田のエース#8丹羽に対して、ダブルやトリプルチームで襲い掛かった

このメンバーで優勝をめざして頑張ってきて、先生にダルマに目を入れてもらうのが目標でした。優勝した瞬間はまだ信じられなかったですが、ダルマに目を入れた瞬間、本当に勝てたと実感しました。試合は出足から集中し、全員の「勝ちたい」という気持ちが全面に出たからこそ優勝できたと思います。4回生としてしっかり結果を残したいという思いと、メンバー外の全員の気持ちを背負ってコートに立ちました。

最後の3ポイントを決められたときは焦りが少しありましたが、その時もみんなが前を向いていたので、このまま勝ち切りたいという気持ちが強かったです。負ける不安はなかったです。後輩たちに助けてもらい、全員で勝ち取った勝利だと実感しています。「小さくても、能力がなくても学生のチャンピオンになれる」ということを、自分たちがやってきたことで優勝という形で証明ができ、すごくうれしいです。

■大阪体育大#6金本 望(179 ㎝/C/3年/北九州市立高卒)

相手チームのセンターは大学界の中で一番うまいと言われているセンターなので、自分一人で守れないところを周りがダブルチームに来てくれました。みんなが守ってくれるという安心感があり、チームでディフェンスができたのが勝因だと思います。個人的には前半、リバウンドで頑張れたと思います。

■大阪体育大#8 落合千里(161㎝/PG/2年/大津高卒)

出だしがいつもの試合に比べて集中してよかったし、ディフェンスをどれだけ頑張れるかでした。そこが集中できていました。個人的にはリキみすぎてあまりいいプレーができませんでしたが、先輩方が引っ張ってくれたので、途中からは落ち着いてしっかりゲームコントロールができたと思います。「ディフェンスを頑張れば小さくても勝てる」ということを証明できたので、本当によかったです。

■大阪体育大#10奥原左智(169㎝/SF/3年/富岡東高卒)

ディフェンスからのチームという持ち味を出だしから出せました。個人的には一番点を取らないといけないというプレッシャーがありましたが、シュートを外しても周りが取ってくれるという自信もあり、思いきりプレーができました。MVPはまさか自分が受賞できるとは……、うれしいです。試合中は絶対に自分が引っ張っていくとか、絶対に決めてやると思ってプレーしていました。それが結果として出せたのはうれしいです。

■大阪体育大#11 唐津亜弥(172㎝/PF/3年/広島皆実高卒)

1、2、3回戦とずっと出だしが悪かったので、そこをみんなで集中していこうと話し合っていました。昨日の準決勝も今日の決勝も出だしがよく、流れがこっちに引き寄せることができました。点を取れない時間帯でもしっかりディフェンスで粘り切れたところが、勝因になったと思います。それはずっと先生も言っていたので、苦しい時間帯に全員でディフェンスとリバウンドで頑張れました。最後は疲れもあったし焦りも出てきましたが、「勝ちたい」という気持ちを全員がもってやれたことが勝因だと思います。
 
 
早稲田大学:萩原美樹子ヘッドコーチ

大体大は一番やりたくなかった相手。フィジカルの強さへの対応が及ばず。
それでも10点差をよく2点差まで追いつきました。

最後はエース#8丹羽で勝負した早稲田。ラストシュートが外れ、延長に持ち込むことはできなかった

関東にはない身体の強さに、出だしから戸惑ったのがありました。6点差ぐらいでついていけたらよかったのですが、アジャストがちょっと遅くなりました。うちは追いかける展開はあまり経験していないので、途中10点差になった時は無理かなと思ったので、よく追いついたなと思います。大体大は春の練習試合で一度も勝てず、ああいうガツガツやるチームは正直いって一番やりたくない相手でした。唯一負け越している相手だったので、選手には「うちが挑戦していくんだ」と言いました。

相手のドライブは1対1では守れないので、ヘルプとローテーションをして「今日は1対5だよ」と指示をしていました。あとはリバウンドを拾うことを言いましたが、それが拾えず。向こうが強かったですね。大体大は10番がすばらしかったし、11番もゴール下でコツコツとつないできてイヤな相手でした。8番のスピードにも対応するようにも指示しました。

リーグ中も丹羽はダブルチーム、トリプルチームをされましたが、何とかしのげていました。でも、大体大さんはものすごく速かったです。パスフェイクをすれば集まってくるので、あとは散らすことを指示していましたが、関東では出来たことがこの試合では対応できず……。そこは私の指導が甘かったかもしれません。(残り32秒から2点差を追いかける場面で丹羽のシュートが決まらず)今日は丹羽が再三、入れてほしいところでポロポロ落としてしまい、これはままあることで……(苦笑)。ただあそこのタイムアウトでは、「早稲田は丹羽でやってきたのだから、丹羽でいくぞ」と言いました。そこで勝負して負けたのですから、しかたがありません。

神﨑(由香/167㎝/SF/2年)のケガ欠場は大きかったです。うちは丹羽、本多、神﨑の3人でリズムをとってきたチームなので、その一角がいないのはかなり苦しかったです。「2連覇」は選手とのキーワードでしたが、神﨑がケガしたのが前の週。厳しいと思っていた中で決勝までよく勝ち上がり、苦手意識のある大体大さんにここまでよく戦ってくれました。試合後、選手には「よくやった」と声をかけました。身体の寄せ合いが嫌いな中であれだけガツガツこられて、10点差を最後は2点差まで追い詰めていったので。でも、「このままでは終われないよね。オールジャパンでは頑張ろう」とも言いました。

■早稲田大#8 丹羽裕美(179㎝/C/4年/桜花学園高卒)

(試合後に号泣)最後に追い上げたけれど、時間が足りなかったです。やっぱり勝ちたかった……。追い上げているときに気持ちを切らさないようにするのが難しかったです。いつもリードする展開が多いので、「追いかけるのがこんなに苦しいのか……」というのを最後に味わいました。夏に学生選抜で対戦して大体大の当たりの強さを体験し、「このままインカレに入ってはまずい」ということで、それぞれがフィジカルの強さを強化してきました。そこは夏よりも対等にやりあえたと思いますが、やっぱり相手は強く、その流れを断ち切れなかったです。

前半、トリプルチームでつぶされることが多かったので、なるべくゴール下で振り向いてシュートにいくことや、ウイングからのパスでなく、なるべく正面でもらってヘルプが来にくいポジションで1対1をやろうと修正しました。そこは後半、結構できたので、もっと前半から出来ていたらよかったです。リーグ戦ではトリプルチームに来られても、うまく攻めることができていたけれど、大体大はフィジカルが強く、そこをかわせませんでした。

(2点を追って放った残り18秒の場面)「自分でシュートを決める」つもりでした。夢中で打ったシュートが外れたのは残念ですが、打ったことをオーさん(萩原ヘッドコーチ)が褒めてくれたので、後悔はしていません。2連覇は考えてはいましたが、そんなに意識はしていなく、直前で神﨑がケガで抜けたので、一戦一戦勝っていこうとだけ考えていました。あともう少し、(逆転するのに)時間が足りませんでした。

■早稲田大#9 本多真実(174㎝/F/3年/桜花学園高卒)

ボール運びから勝負所の得点と、早稲田の主軸となった#9本多。敢闘賞を受賞

日本一になるのは改めて難しいことを実感。2連覇はそんなに簡単に成し遂げることができないことを痛感しました。神﨑が大会前にケガをして正直どうなるのか、個人的には不安な気持ちで大会に入りましたが、4年生がしっかりと支えてくれました。負けたのは悔しいですが、決勝という舞台を4年生と一緒に戦えたのはうれしかったです。

試合は終始、相手のフィジカルの強さを体感しました。ルーズボールでもその強さを実感。関東のチームにはない強さでした。自分たちも体幹トレーニングを積み、練習の中でも意識的にチームメイトと当たるなどしてきて、春から比べれば強くなったので、あそこまで対抗できたのかなと思います。

(丹羽選手がトリプルチームされる対策は)リーグ戦では比較的うまくパスをさばけていたので、同じように対処できるかなと思っていましたが、予想外に相手の寄りが速く、しかもフィジカルが強いので、全部、後手に回ってしまいました。(残り5分)ドライブインを決めて3点差として、「ここからだ」と思いましたが、向こうもルーズボールやリバウンドをへこたれずに頑張ってきて、ボールへの執念がすごかったです。最終的にはそういう細かなところで負けたのかもしれません。

■早稲田#24 金山舞穂(169㎝/SF/4年/金沢総合高卒)

悔しいの一言です。この気持ちを後輩たちにつなげていってもらい、来年こそ優勝してほしいです。

■早稲田大#49 森仁美(168㎝/PG/3年/大阪薫英女学院高卒)

自分の仕事をコートでできず、チームに申し訳ないです。インカレは終わりましたが、ここで学んだことをしっかり次のオールジャパンで活かせるように反省をして頑張りたいです。

■早稲田大#51傳田みのり(175㎝/C/4年/金沢総合高卒)

もっと貢献できたのではという悔しさが残りました。ゲームの序盤から終始リバウンドを取られていたのが敗因かなと思います。課題が明確なので、これをオールジャパンで晴らしたいと思います。